エフセキュアは2011年5月11日、Android対応のセキュリティソリューションを発表した。個人向けの「エフセキュア モバイル セキュリティ for Android」、サービス事業者向けの「エフセキュア プロテクション サービス モバイル」、法人向けの「エフセキュア モバイル セキュリティ ビジネス」を用意し、Android OS 2.1/2.2/2.3を搭載した端末をサポートする。
エフセキュア モバイル セキュリティ for Androidの画面 |
これら3つの製品が搭載する機能は基本的に共通だ。「ウィルス対策」「スパイウェア対策」「盗難・紛失対策」「ブラウザ保護」「ペアレンタルコントロール」「自動更新」の6つの機能を実装している。ただし、法人向けの製品のみ、子供が悪質なサイトへアクセスするのを未然に防ぐペアレンタルコントロール機能には対応しない。
エフセキュア モバイル セキュリティ for Androidの主な機能 |
盗難・紛失対策では、SMS送信による「リモートロック」や「リモートワイプ」に対応。また、SIMカードが差し替えられた際にSMSで通知する「SIMカード情報通知」や、盗難に遭った場合などにSMS送信でリモートから警告音を鳴らすことができる「リモートアラーム」なども備えている。さらに今年後半には、消去したデータをリストアできるよう、クラウド上のストレージへのバックアップサービスも提供する予定だという。
エフセキュア日本法人代表の桜田仁隆氏がその重要性を強調したのは、ブラウザ保護機能だ。現在ほとんどの脅威はWebサイト経由となっており、PCと同等のブラウザを搭載するAndroidは、そのリスクもPCと同じように高くなっている。そこでエフセキュア モバイルでは、クラウドベースのレビュテーションシステムにより、Android端末のパフォーマンスへの影響を最小限に抑えながら、悪意あるWebサイトへのアクセスを防止できるようになっているという。「我々はクラウドベースのセキュリティソリューションを始めて10年経つパイオニア。他社とは一線を画している」と桜田氏は自信を見せた。
エフセキュア日本法人代表の桜田仁隆氏 |
法人およびサービス事業者向けには、Webベースの管理ポータル機能も提供し、管理者が複数のAndroid端末を一元的に管理・監視できる。また、APIも用意され、既存の管理システムから集中管理を行うこともできるという。なお、管理ポータルの利用には別途、月額費用が必要。APIの利用には月額費用は不要だが、初期費用がかかる。
法人やサービス事業者向けに管理ポータル機能も提供 |
個人向け製品はエフセキュアのオンラインストアで同日からダウンロード可能になっており、販売価格は1年版が3500円、2年版が5250円。盗難・紛失対策機能だけなら、無償で利用することが可能だ。
法人向け製品の価格は、1~24ライセンスの場合で3150円(1年版)。この法人向けだけ発売日が異なっており、6月1日から受注を開始し、6月20日から出荷する予定となっている。
エフセキュアは、自社オンラインストア、移動体キャリア、法人向けのインテグレーター、特定用途のAndroidへの組み込みの4つの販売チャネルを介して、このAndroid向けセキュリティ製品の拡販を図っていく考え。販売比率としては「個人が10%で、法人向けが50%。残りの40%をキャリアや組み込みが占める」と想定しており、「2012年中にAndroid向けセキュリティソリューションのシェアでトップ3を目指す」(桜田氏)という。