【徹底解説】クラウド時代に対応したNTTコムの新WANサービス「Universal One」

NTTコミュニケーションズの新WANサービス「Universal One」。同社の統合VPNの後継であり、またクラウドサービス「BizCITY」との親和性も高めたUniversal Oneの特徴を徹底解説する。

わずか3ステップでネットワークを設計

Universal Oneの具体的な特徴をみていこう。キーワードは(1)スピード、(2)信頼性、(3)コスト、(4)柔軟性・拡張性の4つだ。

(1)では、回線プラン、帯域、オプションとわずか3ステップで選択するだけで拠点に必要な構成が完成するイージーオーダー型を採用し、ネットワーク設計・導入の迅速化を実現した。

(2)では、ルーター機能を搭載した新端末「Universal Oneターミナル」をユーザー拠点に設置することで回線の二重化を標準提供し、99.9999%以上の高い稼働率を実現した。

(3)はすべての拠点をシームレスに接続し、二重化による信頼性も向上させながら、本社、支店5拠点、営業所10拠点の例で約30%ものコストの大幅削減を実現できるという。

(4)ではまず、9月以降に対応を予定しているグローバルシームレスだ。国内外をシームレスなネットワークにしたうえで、申し込みから請求、故障対応までをワンストップ化する。また、豊富なオプションで多様なニーズに対応できるようにしている。例えば、さらなる品質を求めるユーザーには帯域を完全専有する「イーサ専用オプション」、高度な保守ニーズには「高度保守オプション」(有料)を用意している。

2012年度で売上150億円目指す

Universal Oneは、どのような利用シーンで力を発揮するのだろうか。

例えば、クラウドとVPNサービス、ルーターが一体で提供されていない場合、保守業者も分かれているケースが考えられ、障害対応が長期化する恐れがある。NTTコムはUniversal OneとBizCITY、保守までを一体で提供するため、万一の場合もスムーズな対応が可能だ。

最近多いのが、M&Aのケース。合併してもネットワークはバラバラで、保守窓口も複数存在するなど管理コスト高に悩むユーザーは多い。Universal Oneはすべての回線品質に対応でき、窓口も一元化しているので、高い統合効果を得られる。

NTTコムでは今後、新規や全面リプレースのユーザーにはUniversal Oneを提案していく。既存の統合VPNのユーザーに対しては、7月から接続オプションを提供する予定だ。これを利用することで、全面更改をしなくても、段階的にUniversal Oneに移行しやすくなる。

同社はUniversal One単独で2011年度50億円、2012年度150億円の売上を見込む。だがこれまで述べたように、BizCITYとの親和性、さらにはグローバル展開を重視した作りとなっている。そういう意味でUniversal Oneは、減収減益の現状から増収増益への早期転換を目指すNTTコムの基幹戦略を支える重要なネットワークサービスといえるだろう。

月刊テレコミュニケーション2011年3月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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