ガートナージャパン、2023年以降に向けた重要な戦略的展望を発表。不確実性への適応を企業に訴え

ガートナージャパンは2022年10月31日、東京で開催したイベント「Gartner IT Symposium/Xpo 2022」において2023年以降に向けた重要な戦略的展望を発表した。これはグローバルでは10月18日に発表されたもので、向こう数年間に実現する可能性が高い展望のトップ10が挙げられた。

2023年以降の戦略的展望トップ10

まずメタバースでは、投資拡大のうち30%がワークスペースの仮想化に充てられ、2027年末までに仕事のエクスペリエンスが描き直されるとしている。また人材の観点では、労働の不安定性により2025年までに40%の組織において重大なビジネス損失が引き起こされる一方、同年までに男女間賃金格差を是正する組織は女性の離職率を30%減らすとしている。従業員に関しては、2025年末までにウェルビーイングやブランド満足度などの従業員価値指標が、投資への意思決定の30%において投資収益率(ROI)の評価に優先されるとみている。

サステナビリティについては、2025年までにAIが欧州の平均的な国よりも多くのエネルギーを消費するようになるため、持続可能なAIを実践しエネルギー消費の削減が必要としている。2027年までにはソーシャルメディアプラットフォームが顧客データを購入するようになり、分散型の「顧客としてのプラットフォーム」に移行すると展望。

また、2026年までに市民が抗議活動のために仮想アシスタントを利用してオペレーションを停止させる攻撃(市民主導型サービス拒否:CDoS)が普及、2025年までに投機的な「ムーンショット」投資への株主受容度が2倍に上昇、2025年末までに強力なクラウドエコシステムがベンダーの30%を集約して顧客の選択肢が少なくなるとの展望が続いて紹介されている。

さらに、ITのグローバル化は、2024年末までに規制当局によって認可された共同所有の主権パートナーシップとして継続し、世界的なクラウドのブランドに対するステークホルダーの信頼が20%高まるとし、地域主権の需要を訴えている。

ガートナージャパンのアナリストでシニアディレクターの片山博之氏は、「(企業は)現状維持だけだと今の環境では成熟してしまう可能性がある。日本企業はこの不確実性の高い中、これらの展望を自社の戦略に柔軟に適応し、成長を実現すべき」とコメントしている。

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