本章では、NTTデータの社内SNS「Nexti」の活用事例と、Nextiのグループ展開について紹介していきます。
Nextiの代表的な機能には日記やコミュニティなどがありますが、何と言っても、キラーコンテンツはQ&Aです。凝った機能を持っているわけでもなく、日記形式で質問を投稿すると全ユーザーの個人トップページに表示されるだけのものです。しかし、そのシンプルさが逆に利用者の工夫を生み、様々な用途で使われるようになったことで、大きな効果を上げた例もあります。
4.1.1 人を探す・見つける「ノウフー(Know-Who)」
Q&Aの有効な活用法のひとつは、ずばり「人探し」です。情報やノウハウ(Know-How)そのものではなく、それらを体得している“人”を探す(知る)、つまり、ノウフー(Know-Who)としてです。 例えば、以下の事例などが典型です。
ある社員が、NTTデータのCTI/CRM製品「VOISTAGE」のIVR(音声応答システム)機能について、社外の友人から問い合わせを受け、「情報を知る担当者の情報、または、その情報自体を持っている人いませんか」という質問(Q)を投稿したところ、わずか40分で最初の回答(A)を得ています。
その後も自社のIVRソリューションを紹介したり、社内の商品情報提供システムの利用を勧める回答がいくつも寄せられ、質問者には有益だったようです。実際、こうした迅速な応対が功を奏したのか、質問を投稿した5日後には、質問者の友人とソリューション担当者が連絡先を交換し、最終的に商談につながることになりました(図4-1参照)。
図4-1 投稿からわずか40分で最初の回答が |
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もうひとつ別の事例を紹介します。図4-2の事例は、Q&Aで「あるお客様が敷地内にソフトバンクとauのショップに加えて、ドコモショップを作りたいと話しています。これを、どうしたら実現できるかご存知の方いますか?」」と質問した時のものです。最初にあった回答が「ドコモの副社長に問い合わせてみます。」という、NTTデータの山下徹社長からのコメントでした。
図4-2 社長を含め様々な層からKnow-Whoの情報がもたらされる |
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このように、社長も“1ユーザー”(ただし社内で最もアンテナの広いユーザー)としてコメントするなど、時には経営層までもが参画して、NTTデータ全体のKnow-WhoがNexti上で交換されています。