ドコモがMWC2021を東京で再現 遠隔カヤックやタイでのローカル5Gなど披露

NTTドコモは6月28日、オンライン出展している「MWC Barcelona 2021」の展示内容を報道陣向けに公開する「MWC2021 docomo Special Showcase in Tokyo」を開催した。5Gやローカル5G、6Gに向けたドコモの最新の取り組みをデモを交えながら紹介した。

NTTドコモは2021年6月28日、「MWC2021 docomo Special Showcase in Tokyo」を本社ビル内で開催した。

ドコモは、同日より7月1日まで開催されるモバイル関連の展示会「MWC Barcelona 2021」にオンライン出展しているが、その出展物や取り組み内容を報道陣向けに公開した。

「遠隔カヤックシステム」は、操縦者がシートに座ってパドルを漕ぐと、5Gを使って情報が伝送され、遠隔地のカヤックがそれに合わせてリアルタイムに動く。

パドルを漕ぐと、遠隔のカヤックがリアルタイムに動く

H2Lの「BodySharing」技術により、パドルを漕ぐ際の水の重さやカヤックの揺れなどが操縦者に伝わる。また、操縦者が装着したVRゴーグルには、カヤックに搭載されたカメラ映像が映し出される。これにより、遠隔にいながら、あたかも現地でカヤックを実際に漕いでいるような体感を可能にする。

操縦者のカメラ映像(左)と遠隔地のカヤックの映像

このデモは、ドコモ本社のある千代田区とカヤックのある品川区を5Gと「docomo Open Innovation Cloud」でつないで行われた。新型コロナウイルスで遠距離の移動が制限されているが、例えば東京と地方をつなぎ、東京にいながら旅行気分を味わうといった活用方法が考えられるという。

5G evolution & 6Gに向けた取り組みとして紹介されたのが、「つまむアンテナ」だ。

6Gに向けて開拓が進められている高周波数帯は電波の直進性が高く、基地局から見通せない場所や障害物で囲まれた場所をどのように通信エリア化するかが課題となる。

つまむアンテナは、高周波数帯の電波を伝搬するケーブルである「誘導体導波路」の任意の箇所をプラスチック小片でつまむと、その箇所から電波の一部が誘電体導波路の外部に漏洩するという物理現象を利用して周辺を通信エリア化する。

工場をイメージした模型で60GHzを用いて行われたデモでは、シャッターを閉じると電波が遮断され映像伝送が止まってしまうが、先端にプラスチック小片の付いた洗濯ばさみでケーブルをはさむと、再び映像伝送が行われることが確認された。

「つまむアンテナ」のデモの様子

つまむアンテナを活用することで、工場内のレイアウト変更がより自由に行えるようになるという。

5G evolution & 6Gでは、超カバレッジ拡張も重要なキーワードだ。ドコモは、HAPS(高高度擬似衛星)や衛星を用いたNTN(Non Terrestrial Network)技術により、空や宇宙、海へのカバレッジ拡張に取り組んでいる。

HAPSについては、一時的に大容量通信が必要になるが基地局の設置が難しい工事現場などでの活用を想定している。会場で紹介された「HAPSシミュレータ」は、工事現場などHAPSが使われる現場を映像化してシミュレーションを行い、ユースケースごとに想定されるスループットを評価することが可能だ。

ドコモは工事現場などでのHAPSの活用を想定している

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