ドコモが5GオープンRANと法人向け5Gソリューションを海外展開、2022年度の商用化を目指す

NTTドコモが5GオープンRANと法人向け5Gソリューションの海外展開に乗り出す。パートナー企業とともにエコシステムやコンソーシアムを設立、お互いの強みを融合する。2021年度に実証実験を行い、2022年度には商用化を目指している。

NTTドコモは2021年2月3日、5Gネットワーク技術と5Gソリューションの海外展開に関する発表会を開催した。

「新たな事業領域の拡大に向け、多くのパートナーとともに5Gのエコシステムを構築し、海外に展開していくことにした」――。会見の冒頭、ドコモの井伊基之社長は目的をこう説明した。

NTTドコモ井伊基之社長

5Gネットワーク技術については、海外キャリアのニーズに合わせて自由に基地局装置を組み合わせられるオープンRANを提供する「5GオープンRANエコシステム」を設立、初期パートナーとしてエヌヴィディアやクアルコム、インテル、デル・テクノロジーズ、NEC、富士通など国内外のベンダー12社との間で覚書を締結した。

「5GオープンRANエコシステム」には、国内外のベンダー12社が参加する

この12社と協力し、オープンRANの導入を検討している海外キャリアの要望に合わせて、最適な無線アクセスネットワークをパッケージ化し、導入・運用・保守まで提供することを目指す。

ドコモはLTE時代からネットワークのオープン化に着目しており、5Gでは2018年に海外の主要キャリアとともに、無線アクセスネットワークのオープン化とインテリジェント化の推進を目的とした「O-RAN Alliance」を設立。2020年9月には、O-RAN仕様を用いた5G基地局のラインナップを拡大するなど積極的に取り組んできた。5GオープンRANエコシステムは「ドコモがこれまで蓄積してきたオープンRANに関する知見やノウハウと、ベンダー各社の強みの融合により、それぞれの長所を最大限に発揮することができる」と常務執行役員の谷直樹氏は語った。

「5GオープンRANエコシステム」では各社の強みを融合する

ドコモではオープンRANをさらに推進するため、汎用サーバーの活用でより柔軟かつ拡張性の高いネットワークを実現する仮想化基地局(vRAN)を2022年度の商用化に向けて開発する。

本日よりvRANの性能評価などの検証に向けて議論を始めるとともに、ドコモR&Dセンタ(神奈川県横須賀市)にvRANの検証環境を構築。2021年度中には、オープンRANの導入を検討している海外キャリアが遠隔からアクセスし、自由に検証を行えるようにする。

ドコモR&DセンタにvRANの検証環境を構築する

無線アクセス開発部長の安部田貞行氏は「Tier1や新規事業者など多くの海外キャリアがオープンRANを必要としている。マルチベンダーによるオペレーションでオープンRANの導入に貢献したい」と述べた。

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