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ゲーム業界外へ広がるゲームの技術 モノビットエンジンのVR Voice Chat

文◎原田果林(編集部) 2020.08.27

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近年、遠隔コミュニケーションや仮想空間上でのイベント、会議などのニーズが急速に増加している。それらを実現するソリューションの開発にあたっては、当然ながら簡単に実装でき、かつ信頼できる製品が求められる。

そんな中、意外にもゲーム業界のある製品に注目が集まっている。モノビットエンジンが提供する、VRコンテンツにボイスチャット機能を実装できる製品「VR Voice Chat」だ。多くの開発者に利用されているゲーム開発環境で、最近はVR/ARの開発環境としても利用が広がる「Unity」に対応する。

長年の実績と実装の手軽さVR Voice Chatは、スマホや家庭用ゲーム、VRコンテンツでマルチプレイを実現するためのリアルタイム通信ミドルウェア群「モノビットエンジン Ver2.0シリーズ」の1製品。同シリーズの通信ミドルウェア「Monobit Unity Networing 2.0」上で動作する。

VR Voice Chatを使うことで、「例えば仮想空間に複数人が接続し、ボイスチャットをしながら、オブジェクトやホワイトボードに書いた文字などをリアルタイムに共有したりすることが可能だ」とモノビットエンジン 代表取締役社長 安田京人氏は説明する。

 

 

モノビットエンジン 代表取締役社長 安田京人氏
モノビットエンジン 代表取締役社長 安田京人氏



ボイスチャット中に環境音やキーボードの打鍵音が入らないように特定の大きさの音をカットできるVoice Activity Detecter(無音検知)機能や、遅延した音声を捨てる機能など、「いわゆるVoIP系で入っている機能はほとんど実装している」といい、さらに仮想空間上で少し遠く離れたところに人がいた場合、その人の声が現実空間と同様、減衰して届くなどのリアルな音づくりも実現している。

「Unityのコンポーネントとして追加するだけでよく、自分が開発したコンテンツにボイスチャットを非常に簡単に搭載できるところがお客様に喜ばれているのではないか」。また、同シリーズが2013年の発売から7年にわたって実績を積み上げていること、同社のCTOに『オンラインゲームを支える技術-壮大なプレイ空間の舞台裏』の著者であり、国産MMO(Massively Multiplayer Online:大規模多人数型オンライン)RPGで圧倒的なシェアを誇った通信ミドルウェア「VCE」の開発者である中嶋謙互氏が就任していることなどから、厚い信頼を得ているという。

数万人の同時接続が可能では、VR Voice Chatはゲーム業界以外のどんな業界で使われているのだろうか。「近年、今まで全く縁がなかったような製造業や物流、医療系などからも問い合わせが来ている」

代表的な例では、サン電子のARスマートグラス「AceReal One」での利用がある。AceReal Oneをかけた現場作業員と遠隔地にいる支援者がリアルタイムに映像や音声を共有、ボイスチャットでコミュニケーションを行う。平田機工とは、遠隔地にいる顧客と仮想空間上で同じCADデータを見ながら打ち合わせができるソリューションを共同開発した。「家にいながら、バーチャルYouTuberなどのライブを数万人に一斉に体験させたいというご相談も多くある」

コロナ禍の影響も大きいという。「在宅が推奨される中、本来、会場に足を運ばないと開催できなかった大規模イベントや展示会などを、当社のエンジンを使って簡単に実現したいという相談を非常に沢山頂戴している。例えば同人誌のイベントなどで、仮想空間内で売り手にボイスチャットで説明してもらい、サンプルを閲覧して、デジタル作品を買うような仕組みを開発したいといったケースもある」

同じ仮想空間内に何万人も接続できるのは、MMOゲームを実現できる「当社エンジンを使うからこそ。ゲームの技術でコンテンツを作ることが、世の中の流れ的に多くなってきた」と安田氏は指摘する。

「あくまで主軸はゲームだが、幅広い業界で使っていただきたい」と同氏。ゲームの技術は業界を超え、あらゆるソリューションやコンテンツ作りの基盤になりつつある。

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