企業ネットワーク最前線

【特集】ネットワーク未来予想図2020

Wi-Fi 6の普及はハイペース 30Gbps以上を実現する11beも

文◎松本一郎(編集部) 2020.02.13

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

法人向けWi-Fi 6製品が普及し始めた。過去の新規格よりも早く導入が進むと予想される。30Gbps以上のスループットと遅延やジッターの改善を目標に掲げる「IEEE 802.11be」の標準化も活発だ。

 
「従来の11acや11nよりも法人市場への浸透が早いのではないか」。IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)の今後について、IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏はこのように語る。

無線LANの最新規格であるWi-Fi 6は、前世代の11ac(Wi-Fi 5)から新たな機能がいくつも盛り込まれた。なかでも1つのチャネルを複数の端末に分割して割り当てる「OFDMA」の採用や、「MU-MIMO」がアップリンクでも必須になったこと、ストリーム数が4本から8本に拡張されたことにより、複数のクライアントと効率的に通信可能になった点が重要な特徴だ。また、端末側の電力消費を抑える「Target Wake Time」(TWT)」という機能も盛り込まれている。「IoTシステム向けの使い方も有効」(草野氏)な規格となっているため、多様なシーンでの利用が期待できそうだ。

IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャー 草野賢一氏
IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャー 草野賢一氏

ユーザーもベンダーも期待法人市場におけるWi-Fi 6の普及スピードが従来規格よりも早いと予想されるのは、無線LANベンダーの動きが過去とは異なっているためだ。「コンシューマー向け製品と企業向け製品の投入に差があまりない」と草野氏は説明する。

通常、無線LANの新しい規格が出ると、まずはコンシューマー向けルーターなどの製品から販売され普及していく。無線LAN用のチップを開発する半導体メーカーからすると、法人向けには高い品質が求められるため、単純に開発の時間がかかることが大きな理由だ。

また、ユーザー企業も対応端末の普及を待って新規格の無線LANへ移行する傾向にあるため、ベンダーは端末の普及を待ちつつじっくり開発した方が合理的だった。

ところが今回はその時間差が短い。国内で初めて発売されたWi-Fi6対応ルーターは2018年12月の「RTAX88U」(ASUS製)だと思われるが、シスコシステムズやHPE Arubaといったベンダーが法人向け製品を国内で発売したのは2019年5月と約半年ほどしか差が無い。「11nと11acの時は、コンシューマー向けが出てから1年以上、2年近く経過してから企業向け製品が出てきた」(草野氏)。従来と比べてかなり早いタイミングでのリリースであり、ベンダーの法人向けWi-Fi6市場への期待の高さがうかがえる。「今や企業においてもネットワークアクセスは無線が中心だ。そのためベンダーも注力し、ビジネス的なボリュームも拡大している。過去に新規格が出た時と比べ、ベンダーにとっても無線LANの優先度が高くなっているのが大きな理由だろう」

ユーザーの意欲も高い。IDC Japanが企業のIT管理者向けに実施した調査では「Wi-Fi 6を知らないユーザーは5%ほど。導入タイミングは別として、Wi-Fi6の無線LANを導入したいと考えているユーザーも約6割に上った」と草野氏は語る。

Wi-Fi 6では無線区間のスループットが規格上は9.6Gbpsへ高速化する。真価を発揮するためには有線区間の高速化も必要となるため、有線ネットワークのリプレースも加速しそうだ。スイッチなどは故障も少なく、配線を引き直すのも面倒なため、有線ネットワークの更新を後回しにしてきたユーザー企業は多いだろうが、Wi-Fi 6がきっかけになるのである。

ユーザー企業にとっては、いつWi-Fi 6を導入するかも悩みどころだが、「2020年後半にはそうした悩みがなくなるかもしれない」とも草野氏は語る。

Wi-Fi 6対応端末はまだ少なく、Wi-Fi 6環境を構築しても今すぐにメリットを享受できるわけではない。

ただ、端末のライフサイクルは基本的に無線LANアクセスポイント(AP)よりも短く、普及も時間の問題だ。無線LANは下位規格との互換性もあるため、あまりデメリットにはならないだろう。加えて、エントリークラスのWi-Fi 6対応APなども出始めており、早い時期に価格面でも問題が無くなりそうだからだ。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

sumi2001
apresia2001
HACCP2001

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】工場5G
    ローカル5Gで実現するスマートファクトリー
[Part1]工場5Gの理想と現実 [Part2]工場でのローカル5Gの活かし方 [Part3]ドコモが考える工場5G [Part4]5G時代の工場NW進化論

[インタビュー] 慶応義塾大学 教授 手塚悟氏「トラストがSociety5.0の基盤」 [ソリューション特集]IoTで始めるHACCP対策 [技術&トレンド]NW視点で見る3大クラウドの違い/水中高速無線を音波・可視光で ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

一般社団法人新規事業・新規市場創出研究会国内唯一の5G/6G調査研究会!

「5Gでの日本の遅れを取り戻したい」。5G、6G、MaaSをテーマにした調査研究会が4月に運営開始する。

sXGPsXGPはローカル5G導入の第一歩

まもなく帯域が拡張されるLTEベースの自営無線「sXGP」は、ローカル5G導入のファーストステップとなる!

マクニカネットワークスHACCP対策の切り札となるIoT
LoRaWANで冷蔵庫内もデータ取得

食品業界に義務付けられるHACCP。IoTで手間と人為的ミスを削減できる

住友商事マシネックスついにオラクルがSD-WANに参入!
 クラウド接続に最適な高品質NW

Oracle Failsafe SD-WANは、ネットワーク品質を劇的に変化させる。

APRESIA Systemsローカル5G参入を強力サポート

APRESIA Systemsの「ローカル5Gシステム」はローカル5Gに必要な機能に絞り込み、導入を強力サポート

NECプラットフォームズ教育用ネットワークをトータル提案
IPv6活用でコスト削減・高速化

快適な校内無線LANには、VPNなど校外NWの整備も必要だ!

アット東京AWSやGCPなどメガクラウドに
直結する新時代のデータセンター

アット東京のデータセンターは“つなぐ”価値に磨きをかける!

ヤマハ仮想NWを始めるならヤマハで!

ヤマハの仮想ルーター「vRX」なら、これまでのノウハウをクラウドでも活かせる。

日本ソルテック学校ネットワークを簡単・安価に

日本ソルテックのクラウド管理型無線LANは、専門学校、介護施設を中心に豊富な導入実績!

シスコシステムズ世界で選ばれているオンライン会議
簡単にワンクリックで会議に参加!

Cisco Webexは社内外、誰とでも高品質なオンライン会議が行える。

エイチ・シー・ネットワークス株式会社ネットワークに迫る人手不足の危機
遠隔監視と予防保全で乗り越えろ!

光ファイバの保守現場の深刻な技術者不足。日立金属はどう対応した?

ハイ・アベイラビリティ・システムズ「全て」を一括認証できるSSO
簡単導入でパスワード管理から解放

AccessMatrix USOなら導入や運用も容易にシングルサインオンを実現!

ジェムアルト株式会社マルチクラウド時代の情シスを救う
認証プラットフォーム!

認証・特権ID管理をきめ細やかに! 自社サービスとしても展開可能。

アクセスランキング

dwpreport
tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます