企業ネットワーク最前線

NTT東が分身ロボを使う理由――介護と仕事の両立も支援

文◎坪田弘樹(編集部) 2019.05.14

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

在宅勤務中の社員がオフィス内の同僚や上司とコミュニケーションするのに役立つ分身ロボット。現在60台を運用しているNTT東日本では、単なるテレワークツールに留まらない幅広い可能性が見えてきている。

 
社員がミーティングをしているテーブルに、小ぶりなロボットが1台。首を振ってホワイトボードや発話者に目を向けながら議論に耳を傾けている。うなずいたり、両手を挙げて賛同を表したり、時には自ら意見も述べる。

NTT東日本では、こんな光景が見慣れたものになった。会議の場だけでなく、“自分”の机に座って周囲とコミュニケーションを取っていることもある。個性を抑えたデザインと愛らしい仕草も相まって、職場の雰囲気にもすっかり溶け込んでいる。

テレビ会議では“何か足りない”「OriHime(オリヒメ)」と名付けられたこのロボットは、吉藤健太朗(吉藤オリィ)氏がCEOを務めるオリィ研究所が開発した分身ロボットだ。冒頭のような動作は、在宅勤務で働く社員が、スマートフォン/タブレットのアプリを使ってインターネット越しに操作している。

OriHimeは、喜怒哀楽が様々に見える能面を参考にデザインされており、利用者の表情を想像できる効果があるという
OriHimeは、喜怒哀楽が様々に見える能面を参考にデザインされており、
利用者の表情を想像できる効果があるという



利用者は、OriHimeの内蔵カメラの映像とマイクが拾う音で、遠隔からでも職場の状況がわかる。スピーカーを介して話すことも可能だ。

操作は至って簡単だ。専用アプリの画面で上下左右にスワイプすれば見たい方向に視線を向けられる。画面右端のジェスチャーボタンをタップすれば、うなずいたり、首を振ったり、手を挙げたりとジェスチャーで意を伝えられる。

なお、自ら移動はできないが、片手に乗るほど小型軽量でWi-Fi通信機能を備えるため、自席でも会議室でもどこでも持ち運べる。

操作アプリ「OriHime Biz」の画面。右端に「はい」や「いいえ」「ぱちぱち(拍手)」などの予め登録されたアクションボタンが並んでいる。上下左右へのスワイプで視線を動かせる
操作アプリ「OriHime Biz」の画面。右端に「はい」や「いいえ」「ぱちぱち(拍手)」などの
予め登録されたアクションボタンが並んでいる。上下左右へのスワイプで視線を動かせる



NTT東日本がこのOriHimeを採用した目的は、在宅勤務者が抱く“疎外感”を解消することだった。総務人事部 ダイバーシティ推進室 担当課長の上村雄亮氏は次のように話す。「電話やメール、チャットなど、在宅勤務する人が社内とコミュニケーションする手段はいろいろあるが、臨場感をもって仕事をしないと進まない業務では“何かが足りない”と感じていた」

臨場感を高めるツールとしてはテレビ会議があるが、「家の中が映るため、使いたくないという声もあった」という。

NTT東日本 総務人事部 ダイバーシティ推進室 担当課長の上村雄亮氏
NTT東日本 総務人事部 ダイバーシティ推進室 担当課長の上村雄亮氏


そんな折、元来は医療・介護現場向けに開発されたOriHimeをオフィスで使ってみようという検討が始まった。2016年にNTT東日本とオリィ研究所は共同研究を開始。在宅勤務社員の分身として使い始めた。

それから2年余り、今ではOriHimeも“60人”に増え、NTT東日本管内の全事業所に数台ずつ配備されている。同社は、社員が日数の制限なく在宅勤務ができるテレワーク制度を施行しており、OriHimeも特に職種等を問うことなく、利用申請をした希望者に貸与されている。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

keysight2008
microfocus2008
kddi2008

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】オフィスのNew Normal
●オフィスに“不可逆的”変化 ●企業LAN/WANのニューノーマル ●ワーケーションは出島戦略 ●IoT活用で「3密」を回避 ●データで作る可変オフィス など

[インタビュー]NTTコミュニケーションズ 丸岡亨社長「DXのプラットフォーマーへ」 [ソリューション特集]ビット単価低下やコロナに負けないネットワーク監視/スマートホスピタルへの第一歩 【技術&トレンド】10m以上先へ無線で給電 【ビジネス最前線】IIJが描く5G時代のMVNO ほか

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

ローデ・シュワルツローカル5Gの測定ニーズの
全てに応えるローデ・シュワルツ

設備構築時の干渉調査・エリア確認、運用開始後の管理までカバー!

MOVEit「パスワード付き圧縮ファイル」
にはもう頼らない!

多様なニーズに対応したファイル転送の姿とは?

Gigamonコロナ禍による通信量の増大に対応

モニタリング、セキュリティ装置の負荷軽減や運用効率化を実現するGigamon社の先進的なL1スイッチ!

ネットスカウトシステムズNWを堅牢にしながらDDoS対策も
ニューノーマルのセキュリティ対策

テレワークのセキュリティと可用性を同時に高める方法があった!

マイクロフォーカス通信キャリアの運用監視をDX

HPEのソフトウェア部門を統合したマイクロフォーカスに、通信キャリアの課題と解決策を聞いた。

tcs-8500遠隔診療がWeb会議でいいはずない!
ノイズなし4K映像伝送を低価格で

医療現場で求められる高画質・低遅延を1台で実現する「TCS-8500」

エンピレックス通信事業者にワンランク上の可視性を

5G時代、キャリアは運用の一層の効率化を迫られるが、クラウドネイティブならトータルコストも削減できる!

KDDIどうする? テレワーク移行時の意外な盲点「固定電話」の取り次ぎ

「固定電話の番のためだけに出社」から脱却するには、何が必要だろうか。

Tocaro仕事を終わらせるビジネスチャット

CTCのビジネスチャット「Tocaro」は、豊富な機能により、プロセス管理や生産性向上も実現できる。

Cisco Meraki Z3全社員が在宅勤務可能な環境をCisco Meraki Z3でシンプルに即実現

<導入事例>検証から実導入までを驚くほどのスピードで!

キーサイト・テクノロジー光集積デバイスに必要なスピーディ
かつ高確度の測定を実現

1Tbpsの次世代光の確立へ、光集積デバイスに最適な光測定製品!

マイクロフォーカス岐路に立つ通信事業者の運用管理
属人・サイロ化から脱却するには?

通信事業者の運用管理に、マイクロフォーカスが"特効薬"を提供する!

ディアイティOffice 365が遅い、
情報漏洩が心配…を解決する方法

実はCASB×DLPで全部解決できた! Forcepointが全てを叶える。

シスコシステムズいま知るべき5Gのセキュリティ脅威
大変革時代を「シスコはこう守る」

5G網は様々なサイバーリスクを内包する。シスコはどう対抗するのか。

パロアルトネットワークスSASE実現するクラウドセキュリティ
従業員は意識せず安全なテレワーク

GWの逼迫解消、ローカルブレイクアウト、ユーザーの快適さを一挙に!

Microsoft Teams会議から1万人の仮想イベントまで
コラボの場はリアルからTeamsへ

Microsoft Teamsの利用が急増中だ。
4月時点の利用者数は1日7500万人!

丸文ローカル5G“実用化”へ万全の備えを
試験・置局、セキュリティまで網羅

ローカル5Gには何が必要か。長年キャリアを支援する丸文に尋ねた。

インテルネットワーク変革をインテルが牽引
仮想化技術でローカル5Gにも貢献

インテルの5Gビジネスが加速してきた。ローカル5Gにも取り組む。

ライムライト・ネットワークス・ジャパン8K対応/安定性/超低遅延
選べる3つのライブ配信サービス

自社だけでは困難な高品質ライブ配信をライムライトが強力サポート!

クラウド&サービスプロバイダ向けのオンラインイベント「新たな時代に向けたネットワーク」通信事業者の新たな時代に向けた
ネットワーク「Telcoクラウド」

ジュニパーのクラウド&サービスプロバイダ向けバーチャルサミット!

ホワイトペーパー

アクセスランキング

tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます