ペットの健康をIoTが守る! 家族化・長寿命化で高まる健康志向

今やペットは「家族の一員」ともいえる存在。寿命も伸びており、健康は飼い主にとって重要なテーマだ。留守時でも遠隔からえさを与えたり、日々のデータから健康状態を管理するIoT 機器のニーズが高まっている。

約1268万世帯――。これは、犬や猫を飼育している世帯数の推計値だ。全国の世帯総数は約5622万世帯とされ、ほぼ4世帯に1世帯が犬または猫を飼っている計算になる。飼育頭数の内訳は犬が約892万頭、猫が約952万頭と合わせて1800万頭を超え(いずれも一般社団法人ペットフード協会調べ)、15歳未満の人口(約1571万人)を大きく上回る。今やペットは「家族の一員」と言ってもおかしくない状況となっている。

とはいえ、常に行動を共にできるわけではなく、旅行などで長期間不在にする際の世話をどうするかが大きな課題となる。その対応策として動物病院やペットホテル、あるいは知人に預ける方法があるが、環境の変化にストレスを感じ、体調を崩す可能性が否定できない。飼い主にとっても、ペットの様子が分からないと不安が募る。ペットが高齢であれば、なおさらだ。

また、最近は共働き家庭や単身世帯も増えており、日常的に長時間留守にしている家庭も多い。

このため、自宅にいるペットがきちんと食事をしているか、外出先から把握することを可能にするIoT機器のニーズが高まっている。

遠隔からスマホで食事の様子を確認ペット家電専門メーカー「うちのこエレクトリック」(本社:兵庫県姫路市)が販売する「カリカリマシーンSP」は、Wi-Fiを通じてスマホの専用アプリから遠隔操作を行える自動給餌器だ。スマホからログインするとクラウドサーバーで認証され、本体への接続情報を取得・通知する。

1日4回まで、1分単位・10グラム単位(最大100グラム)で給餌タイマーを設定可能で、給餌する時間になるとスマホに通知が届く。アプリの「リモート給餌ボタン」を押せば、外出先からエサを与えることもできる。

自動給餌器「カリカリマシーンSP」
自動給餌器「カリカリマシーンSP」は、飼い主が不在でも決まった時間に
エサを与えることができ、外出先からでもペットの様子を確認できる

ユーザーは、旅行で何日間も家を空けたり、仕事が遅くなりそうなときに活用している共働き家庭や仕事が不規則な単身者が多いという。ペットには「定時定量」の食事を与えることが重要で、飼い主の都合で時間が遅くなると体内リズムが狂い、消化器官に負担をかける。このため健康管理の観点から日常的に利用する飼い主もいるそうだ。

カリカリマシーンSPの本体には125°広角レンズ搭載HDカメラが付いており、スマホからリアルタイムに映像を確認することもできる。

「特に猫は気まぐれで、一般的なペット用見守りカメラを設置しても映らないことがある。これに対し、給餌器はペットにとって“食堂”であり、食事の時間が近付くと必ず姿を見せるので、飼い主も安心できる」と、うちのこエレクトリックの運営元であるアクセスライン取締役の吉田久雄氏は述べる。

マイクやスピーカーも搭載しているので、外出先から名前を呼んで話しかけたり、食べてはいけないものを口に入れるなどいたずらしているのを見つけたら叱るといったことも可能だ。

月刊テレコミュニケーション2018年12月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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