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<特集>IoT FUTURE CITY

IoTで持続的に成長する街を――「Fujisawa サスティナブル・スマート」の決意

文◎村上麻里子(編集部) 2018.07.12

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「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」が最も重視しているのは、住民とともに成長し続ける街であること。そのためにIoTによるイノベーションにも積極的に取り組んでいる。

 
「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」(以下、Fujisawa SST)は、JR東海道線・小田急江ノ島線藤沢駅から徒歩27分の湘南藤沢エリアに立地する。

約1000戸の戸建住宅および集合住宅を中心に、商業施設や次世代物流センターなどが集まる郊外型複合開発タウンだ。

約19ヘクタールの広大な敷地は、パナソニックの工場跡地。同社と藤沢市が中心になってFujisawa SSTのプロジェクトはスタートし、現在では三井不動産グループや東京ガス、東京電力ホールディングス、NTT東日本、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、学研、ヤマト運輸などの企業、慶應義塾大学の合計18団体と藤沢市が協議会メンバーとして開発に参画している。また、住民による自治を重視しており、自治組織「Fujisawa SSTコミッティ」も街づくりの重要な役割を果たしている。

Fujisawa SST
敷地面積約19ヘクタール(南北300m×東西600m)のFujisawa SST



「サスティナブル」という言葉が使われているのは、持続可能なスマートシティを、Fujisawa SSTは目指しているからだ。パナソニック ビジネスソリューション本部 CRE事業推進部SST推進課 課長で、Fujisawa SST協議会の事務局長を務める荒川剛氏はこう説明する。

「街のインフラを単純に作って終わりではなく、5年先、10年先、30年先を見据えながら、豊かな生活に必要な機能を継続的に提供していく。スマートシティではなく、サスティナブルであることが一番重要だと考えている」

パナソニック ビジネスソリューション本部 CRE事業推進部 SST推進課 課長 Fujisawa SST協議会事務局長荒川剛氏
パナソニック ビジネスソリューション本部 CRE事業推進部 SST推進課 課長
Fujisawa SST協議会事務局長の荒川剛氏


街の各所にセンサーFujisawa SSTで提供されるサービスは、具体的には「エネルギー」「セキュリティ」「モビリティ」「ウェルネス」「コミュニティ」の5つで構成される。

1つめのエネルギーサービスでは、世界最大規模(街の開発開始2012年当時)となる個別分散型エネルギーマネジメントシステムを導入している。各住宅や施設に太陽光パネルや蓄電池を設置し、街全体では約3MW/3MWhの発電・蓄電能力を実装している。

戸建住宅の屋根には太陽光パネルが設置されている
戸建住宅の屋根には太陽光パネルが設置されている



また、街の電気やガス、水道の使用量、発電量、CO2の排出量などは、街の各所に設置されたセンサーの情報を元に、住民用のポータルサイト「タウンポータル」で確認することができる。さらに住民向けに「エコライフ レコメンドレポート」も毎月配信している。省エネなどを実現するには、「生活している人たちの意識や行動も重要になる」(荒川氏)からだ。

タウンポータルの画面イメージ
タウンポータルの画面イメージ


Fujisawa SSTでは、CO2の70%削減(1990年比)、30%以上の再生可能エネルギー利用率、生活用水の30%削減(2006年一般普及設備比較)といった環境目標を掲げている。この目標達成に向けて、レポートには省エネ達成度の居住ブロック別順位や、省エネタイプの家電への買い替えを促す情報などを掲載しているという。

四重のセキュリティ体制2つめのセキュリティについては、空間・街・家・人の四重で守る体制だ。

まず、街の出入口はできる限り集約し、管理しやすい設計とした。街区には見守りカメラを設置し、センサー付きLED街路灯と連動して人が近付くと数歩先まで照度をアップする仕組みも採用している。

街路には見守りカメラが設置されている
街路には見守りカメラが設置されている



Fujisawa SST内にある3つの公園の映像については、タウンポータルで閲覧することも可能だ。「自分の子供が公園で遊んでいる姿を確認できるため、より安全・安心」と荒川氏は話す。

また、各家庭にはホームセキュリティを導入。さらに日中はマネジメント会社の社員が見回りながら住民の声を聞き、夜間は協議会のメンバーであるALSOKが巡回を行っている。

壁を作るのではなく、こうした見えないゲートで住民の安心・安全を守る─。Fujisawa SSTは「バーチャル・ゲーテッドタウン」を標榜している。
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