<サイバーセキュリティ戦記>NTTグループのプロフェッショナルたち「失敗が9割」NTT西日本のセキュリティプリンシパルが掴んだ“空席”とは?

NTT西日本 粕淵卓

著書多数、年間の登壇回数は約50回、セキュリティコミュニティも主宰と、八面六臂の活躍を見せるが、本人はこれまでのキャリアを振り返って「失敗が9割」と言う――。<トラスト(信頼)>あるデジタル社会の実現を目指して挑戦する、NTTグループの上級セキュリティ人材を紹介する連載「<サイバーセキュリティ戦記>NTTグループのプロフェッショナルたち」の第16回に登場するのは、失敗にへこたれない男、NTT西日本でセキュリティプリンシパルを務める粕淵卓だ。

「“会社のため”ではなく、あくまで“自分のため”。ただ、結果的に会社のためにもなってきたから、会社からも応援してもらえているのだと思っています。もちろん、会社のビジョンと自分のビジョンは合わせるようにしています」

こう話すのは、NTT西日本の粕淵卓(かすぶちたかし)だ。

取得している資格は技術士(情報工学)、システム監査技術者、情報処理安全確保支援士、プロジェクトマネージャー、CISSPなど約50。執筆した本の数は共著を含めて、これまで10冊以上。Webや雑誌の記事も100本あまり。年間の登壇数は約50回にものぼり、登録者数が1600人を超えるセキュリティに関するコミュニティ「WEST-SEC」も主宰する。NTTグループを代表するセキュリティ専門家の1人である。

「自分のため」と言い切るのには、こういう理由もある。

「これは大事な話だと思っているのですが、“会社のため”だと、うまくいかなかったとき、自分の気持ちの中で矛盾が起きるんです。しかし、“自分のため”だと、失敗しても納得できます」

そして、今まで「9割は失敗してきた」と苦笑いする。

NTTグループは2023年4月、専門性を軸とした人事給与制度への見直しを実施した。特に話題を集めたのは、高い専門性を有する社員を、高条件で処遇することを可能にする「スペシャリストコース」の創設である。スペシャリストコースに選ばれた1人である粕淵は、一体どんなキャリアを歩んできたのだろうか。

NTT西日本 粕淵卓

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