「高付加価値サービスで数年後に増収へ」――NTT東・井上社長

NTT東日本の井上福造社長は6月28日、都内で就任会見を行った。

NTT東日本 代表取締役社長の井上福造氏

モバイルネットワークの高速化やスマートフォンの普及など市場環境の変化により、固定電話の減収傾向が続いている。そうした中でNTT東は2015年に、光回線を直販から卸売へと大胆な方針転換を図った。この「光コラボレーションモデル(光コラボ)」は販売コストを削減できることもあり、6期連続で増益を達成している。

井上社長は今後の基本方針について「ベースとなる光回線を地道に増やしながら、高付加価値サービスを提供していきたい」と述べた。

例えば、光回線とWi-Fiにセンサーやカメラを組み合わせ、農業の遠隔監視や工場の稼働状況監視などに活用されている。NTT東の顧客は自治体や地域の企業であり、その多くが人手不足という課題を抱える。解決策として、人間に代わってIoTを活用する動きが徐々に広まりつつあるという。また、中小企業でも手軽にIoTを導入できるようにゲートウェイやデバイス、クラウドなどをパッケージ化したものを業種別に提供する。井上社長は「高付加価値サービスを伸ばせば、数年先には増収に反転できるのではないか」と見通しを明らかにした。

一方、社内では業務の変革にICT技術を活用することで、自らのデジタルトランスフォーメンションを推進する。コストを効率化し、競争力やサービス品質を高める狙いがある。

一例が「スマートメンテナンス」で、レーザースキャナによる電柱点検作業の効率化や、ウェアラブル端末を使った現地作業者への遠隔サポートが行われている。社内で成果が生まれたものについては、商品化も検討する。

井上社長は今後の抱負について「いまだに電話の会社、光回線の会社というイメージが強い。今後は地域の課題を解決するICTソリューション企業として認知されるように企業のイメージも中身も変えていきたい」と語った。

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