ICT×未来

デジタル変革を加速させる「5G URLLC」の世界(前編)

5G最大の目玉「URLLC」で何が実現可能になるのか?

文◎坪田弘樹(編集部) 2018.06.14

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

ミッションクリティカルな領域でモバイルネットワークを活用したい――。この声に応えるのが「5G URLLC」だ。LTEやWi-Fiなど従来の無線通信とは一線を画す性能と品質により、何が可能になるのか。

 
ミッションクリティカルな用途に使えるモバイルネットワーク。その“究極のかたち”が、5Gの要件の1つである「URLLC」だ。Ultra-Reliable and Low Latency Communicationsの略で、超高信頼かつ低遅延な無線通信を実現するものだ。

5GにはこのURLLCに加えて、超高速大容量の「eMBB(enhanced Mobile Broadband)」、大量端末接続の「mMTC(massive Machine Type Communications)」の3つの要件がある。標準化はeMBBが先行しており、商用化もまずは高速大容量サービスから開始される。

だが、モバイルネットワークの利用の裾野を拡げるという5Gの本来の目的からすれば、URLLCこそが「5Gの目玉」と言える。高速大容量通信とは異なる新たなユースケースの開拓につながるからだ。モバイルネットワークの弱点であった信頼性と応答時間が劇的に改善すれば、活用の幅はグッと広がる。

 

図表 代表的な5Gユースケース例[画像をクリックで拡大]
図表 代表的な5Gユースケース例


「コア網内で完結」で真価5G URLLCで実際にどんなことができるのか。その前に改めてURLLCとは何かを確認しよう。

標準化団体の3GPPおよびITU-Rは、URLLCの条件を「32バイト以上のパケットデータ量の99.999%以上の送信成功率」と「無線区間1ミリ秒(ms)以下の遅延」を同時に満たすことと定めている。2017年11月にURLLCの屋外実証実験を世界で初めて成功させたNTTドコモとファーウェイによれば、LTEで5Gと同等の送信成功率を達成するには、無線区間で5ms以上の遅延時間を要するという。5Gではそれが5分の1以下に短縮できるわけだ。

ただし、この「1ms」はあくまで無線区間の遅延であり、アプリケーション全体の設計においてはモバイルバックホール(有線区間)の伝送遅延やインターネットの遅延、アプリケーションサーバーの処理遅延等の影響のほうがはるかに大きい。信頼性の観点でも同様に、無線伝送以外の影響を考慮する必要がある。

そのため、URLLCの特性を活かすにはデバイスに近い場所、例えば無線基地局の背後やコアネットワーク内にアプリケーション処理系を置いて、短い経路で応答する「エッジコンピューティング」を組み合わせることが不可欠だ。コア側の仕組みも合わせてエンドツーエンドの遅延を短縮し、信頼性を高めるのである。

遅延や信頼性のコントロールが不可能なインターネットとクラウドは使わず、アプリ処理までコア網内で完結させることが、URLLCの大前提となる。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

1810riverbed
zoho1811
soltec1811

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】LPWA、再加速
●Sigfox&LoRaの現在地/●注目の新興LPWA「Zeta」「ELTRES」の勝機/●アナリストが見通すLPWAの今とこれから/●セルラーLPWAが本格開始!ドコモ、KDDI、ソフトバンクのIoT無線戦略

●東大 江﨑浩教授インタビュー「デジタルとリアルの逆転経済へ」/●対応急がれるISDN&PHSマイグレーション/●ワイヤレスファースト!クラウド型から始まるネットワーク変革/●A10のCEOが語る「5G網の防衛術」/●産業制御システムの守り方とは?

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

ヤマハどうする?データ/音声に使用中のISDN移行問題

モバイル回線へのマイグレーションで、BCP対策との一石二鳥を実現!

MI「止まらない」M2M/IoTルーターで低コストに3G/LTEへの移行を可能に

現行の設備はそのまま、ISDN/PHSを安価にIPへ移行できる!

ハイテクインター数十km先を高速でつなぐ屋外無線
PoEも900mまで延長できる!

ネットワークの“難所”で高速・安定通信を実現するハイテクインター

NECマグナスコミュニケーションズPHS/ISDNからLTEへ簡単移行!

NECマグナスの音声対応LTEルータ「uM320V」なら既存設備はそのままでLTEへ移行できる。

日本ソルテックライセンス管理も楽なクラウド管理型Wi-Fiで、全国拠点を簡単運用

柔軟なライセンス体系と優れたコストで好評なZyxel社のNebula

ゾーホージャパン低価格フローコレクターで
シスコ機器を使い倒そう!

シスコ機器が備えるNetFlowやIP-SLAを活用し、きめ細やかな監視を!

リバーベッドテクノロジーアプリの体感品質を可視化 そのトラブル解決に留まらない効果とは?

「SaaSのレスポンスが遅い」。IT部門の悩みをリバーベッドで解消!

ライトL3スイッチ「SWX3100-10G」行き詰まる小規模NWを変革しよう

高価なレイヤ3スイッチには手が出ないが……。そんな悩みに、新たな選択肢をヤマハが提供する。

IntelligentAVAIエンジンで未知の脅威も自動検知

ウォッチガードのUTMに、マシンラーニングでマルウェアを検知する「IntelligentAV」機能も加わった。

Gigamon通信事業者での採用実績多数!
セキュリティ機器コストも大幅削減

今注目のネットワークパケットブローカー。そのNo.1メーカーとは?

PRTG Network Monitorネットワーク監視を簡単スタート!

NW監視の重要性は分かっているが、人材も予算も不足――。そんな企業に知ってほしいのが「PRTG」だ。

Big Switch Networksウンザリする運用管理とサヨナラ

大量のスイッチを個別に設定・管理する従来型NW運用を、Big Switch NetworksのSDNで革新しよう!

ユニアデックス次世代のネットワーク運用とは?

先進企業はもう始めている「Big Cloud Fabric」によるネットワーク運用変革を事例に学ぶ。

リボン・コミュニケーションズ多様なリアルタイムコミュニケーションでシームレスな通信を実現!

SBCを強みとする2社が合併して誕生したリボン・コミュニケーションズ

SAS Institute Japanデータ解析、もうやり尽くしたと思うのはまだ早い

さらなる品質改善やコスト削減を実現したあの先進企業とは?

アクセスランキング

tc1809
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます