企業ネットワーク最前線

動画配信サービス「U-NEXT」の挑戦――オリジン分散で危機回避

文◎坪田弘樹(編集部) 2018.04.13

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

U-NEXT 経営戦略室 経営企画G
担当部長 柿元崇利氏

2007年のサービス立ち上げから約10年、先駆者として動画配信市場を切り拓いてきたU-NEXT。“自前主義”で配信プラットフォームを開発・運用する同社は、激増するトラフィックとどう戦っているのか。

 
「トラフィックは凄まじい勢いで伸びている。当社ではこれを経営課題として捉え、対処を進めている」

U-NEXTの経営戦略室・経営企画Gで担当部長を務める柿元崇利氏はそう語る。「トラフィックの伸びが激しくなったのは(2015年の)Amazonプライム・ビデオとNetflixの上陸から。2016年末頃にはエンジニアチーム、そして経営層からも『抜本的に手を入れないとマズい』という声があがり始めた」という。

同社の定額制動画配信サービス「U-NEXT」は、国内で最も早い2007年にテレビ向けでスタートした。その後、PC、スマートフォン/タブレット、PS4等のゲーム機向けにも拡大。GEM Partnersの調べでは、国内の定額制動画配信市場でシェア3位(金額ベース、2016年)につける。

契約者数とトラフィック量の詳細は公開されていないが、最新の決算発表資料によれば、契約者数はこの3年で2.4倍に増加。直近1年間では36%増(2016年9月から2017年9月)という。トラフィックもこれに比例して増えるわけだが、動画の高画質化も相まって、契約者の増加ペースを上回る勢いでトラフィック量が増えているようだ。

 

図表1 動画配信サービス「U-NEXT」のシステム概要
図表1 動画配信サービス「U-NEXT」のシステム概要


オリジンを国内数拠点に分散トラフィックが急激に増えれば当然、配信システム等の設備投資・運用費が高騰する。

さらに、U-NEXTでは昨年、早急に対処が必要な課題も持ち上がった。ネットワーク容量の逼迫だ。

ユーザーが視聴する動画は、コンテンツが置かれているオリジンサーバーから、ISPや通信事業者のネットワーク経由で全国へ配信される。柿元氏によれば2017年の年初頃、「このペースでトラフィックが増えれば、オリジンとインターネットとの接続がキャパシティ上限を超えてしまうことが分かった」という。

そこで、従来は1カ所だったオリジンのトランジット(インターネットへの中継接続)を「2カ所以上のTier1プロバイダのバックボーン」に分散した。2017年10月から段階的に移行を始めてトラフィックを分散。総キャパシティも増やした。昨年末頃には、その効果が「はっきりとわかるほどになってきている」という。

とはいえ、これでトラフィック対策が完了というわけではない。U-NEXTではさらなる対策を実施および検討している。

U-NEXTは3年前から配信プラットフォームの開発・運用を“自前主義”にシフトした。データセンター運用からネットワーク接続、モバイル用アプリの開発まで、すべてを社内エンジニアが行っている。トラフィックの動向やユーザーの視聴形態を詳細に把握することで、傾向やニーズの変化を迅速に捉えて対応するのが狙いだ。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

silverpeak1904
intel1906
extreme1906

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】キャリアネットワークの
   メガトレンド
●5Gを4つのキーワードで解説 ●通信インフラは「共有」する  ●基地局は持ち運ぶ時代へ ●ネットワーク機器の機能分離が加速 ●ゲームチェンジの引き金を引くO-RAN ●5G網はSRv6で一筆書き

●[インタビュー] クアルコムジャパン 須永順子社長「5Gの1年前倒しに大きな意義。ローカル5Gを工場へ積極提案」 ●スマホ内線化で働き方を変える ●埼玉県飯能市が“IoT罠”で獣害対策 ●ネットワン「サブスク拡大」の理由 ●IoTを導入しない企業は5年以内に脱落? ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

インテルキャリア網もクラウドネイティブへ
5G革命を推進するインテル

インテルが5G時代の新NW実現に向けた取組みを加速させている。

エクストリームネットワークスWi-FiとIoTをAIが自動で管理
10万人のスタジアムに搭載

「Smart OmniEdge」がネットワークエッジのトラブルから解放する!

NTTコミュニケーションズeSIMを本格提供! 垂直統合で企業のIoT活用を支えるNTT Com

国内MVNO初のリモートプロビジョニング対応eSIMサービスも提供開始

サクサキャリア網の利用で高い通話品質
スマホ2台までお試し導入も!

サクサのビジネスホンなら、スマホ内線が途切れない! 使い勝手も◎!
NTTコムウェアスマホ内線で高い通話品質を実現!

交換機開発のノウハウを活かしたNTTコムウェアのクラウドPBXは、高い安定性や優れた通話品質が特徴

日本シエナコミュニケーションズ光伝送網の能力はもっと引き出せる
目指すは“どこでも400G”の世界

シエナが1波800Gbps伝送を可能にする新世代チップを発表した。

KCCS加速し続けるSigfoxの「今」
人口カバー率は94%を突破

グローバルでも年末には70カ国・1300万回線に拡大見込みだ。

専門人材が24/365で対応するMSS
最新鋭のSOCで途絶なく脅威を監視

次世代FWなどのセキュリティ機器は「設置しておしまい」ではない。

ケーエムケーワールド最大2.7Gbpsの次世代FW
100名以下の企業で採用が増加!

NISG3000は様々なセキュリティ対策が詰まったオールインワン型

ジュニパーネットワークス"クラウドが遅い"をSD-WANで解消
ブレイクアウトの課題とは?

クラウドの「体感品質」にフォーカスしたジュニパーのSD-WAN

シングテル海外拠点網“SD-WAN化”の注意点とは?

グローバルキャリアに聞く回線選びの重要性

ソニービズネットワークス“ひとり情シス”でも心配なし!
SD-WAN始めるならマネージド型で

SD-WAN導入に悩みを抱えるIT担当者に最適なマネージドSD-WAN

マクニカネットワークス高精度にアプリ識別可能なSD-WAN
速度も最大10倍以上に高速化

Silver PeakのSD-WANは「正確で速い」という強みを持つ。

ハカルプラス後付け簡単&低コスト! 5km飛ぶLoRa無線機で始める設備のIoT化

IoT導入時のハードルをぐっと下げる、ハカルプラスの「LoRa無線機」

アクセスランキング

tc1904
kaden
softbankworld2019

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます