ICT×未来

ビジネスの明日を動かすICTトレンド

スマートホーム市場は本当に立ち上がるか?(前編)――今まで普及しなかった2つの理由

文◎西俊明(ライトサポートアンドコミュニケーション) 2018.01.04

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

スマートスピーカーを筆頭に、ホームIoTをめぐる動きが活発化しています。いよいよスマートホームは普及期を迎えたのでしょうか。前編では、スマートホームの歴史を振り返りながら、今まで市場が本格的に立ち上がらなかった理由について解説します。

百花繚乱となった、我が国スマートスピーカー市場2017年秋、AIを内蔵したスマートスピーカーが、我が国の市場にも続々と登場し始めました。

すでにグーグルの「Google Home」、アマゾンの「Amazon Echo」、LINEの「Clova WAVE」、ソニーの「LF-S50G」などが販売開始されています。今後も、アップルをはじめ、内外の様々な企業からスマートスピーカーが発売される予定です。

まさに、百花繚乱といった状況です。

これらのスマートスピーカーは、口頭で問いかけたり命令したりすると、「質問に答えてくれる」「音楽を流してくれる」などして、私たちの生活をより便利にしてくれます。

しかし、スマートスピーカーの販売は、各社の真の狙いに対する第一歩に過ぎません。図表1をご覧ください。

 

図表1 スマートホーム市場をめぐる海外プレーヤーの動向
スマートホーム市場をめぐる海外プレーヤーの動向
出典:経済産業省 産業構造審議会 新産業構造部会 第12回(平成28年12月22日)配布資料より抜粋http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/012_06_01.pdf



これは、経済産業省の産業構造審議会(部会)で配布された資料の一部であり、「AI×暮らしを豊かにする機器・サービス」の章で説明されている、海外のプレーヤーの動向です。

ここでは、グーグル、アマゾン、アップル、サムスンの4社の状況が記載されていますが、いずれも「宅内IoT」あるいは「スマートホーム」に狙いを定めている様子がうかがえます。

彼らは、自社のスマートスピーカーをスマートホームのセントラルハブ、あるいは、人間とのインタフェースの標準とすることを狙っています。その結果として、スマートホーム市場における自社のプレゼンスを高めることを目論んでいるのです。

ここで、世界のスマートホーム市場の成長予測を見てみましょう。

 

図表2 スマートホーム市場の成長予測
図表2 スマートホーム市場の成長予測
出典:A.T.カーニー
https://www.atkearney.co.jp/communications-media-technology/the-battle-for-the-smart-home



コンサルティング会社のA.T.カーニーによると、2015年に140億米ドルの規模だった世界全体のスマートホーム市場は、2025年には2630億米ドル、2030年には4050億米ドルまで成長すると予測されています。ざっと40兆円以上の市場です。いかに有望視されているかが分かります。

また、図表2のグラフを見ると分かる通り、A.T.カーニーでは、利用目的(提供価値)別に、以下の5つのカテゴリに分類して市場予測しています。

(1)ホームセキュリティ
(2)エネルギーマネジメント
(3)快適&利便性
(4)健康維持と増進
(5)エンターテイメント(映像・音楽など)

上記カテゴリのうち、日本とは治安の異なる欧米では、ホームセキュリティ分野からスマートホーム市場が広がっています。

また、アメリカでは2014年に、日本より一足先に販売されたアマゾンのスマートスピーカーが4000万台以上販売された、という報道もありました。

このような状況を見ると、「日本でもこれから本格的にスマートホーム市場が立ち上がっていくのだろう」と期待する方もいるでしょう。

一方で、スマートホーム構想は、提唱されてから30年以上も経過しており、正直なところ、目新しい概念ではありません。実際、スマートホームと聞いて、「またか」と思われた方も多いはずです。

今回のスマートホーム市場への各社の参入が、我が国においても本格的な普及・定着へと続くものか見極めるためにも、まずは、スマートホーム構想のこれまでの流れを確認してみましょう。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

著者プロフィール

西俊明(にし・としあき)

慶應義塾大学文学部卒業。合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション代表社員/CEO。富士通株式会社で17年間にわたり、営業、マーケティング業務に従事。2008年、経済産業大臣登録・中小企業診断士として独立し、2010年、合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション設立。専門分野は営業・マーケティング・IT。Webマーケティングやソーシャルメディア活用のテーマを中心に、8年間で200社以上の企業や個人事業主のマーケティングのコンサルを実施、180回以上のセミナー登壇実績をもつ。著書に『あたらしいWebマーケティングの教科書』『ITパスポート最速合格術』『高度試験共通試験によくでる午前問題集』(技術評論社)、『絶対合格 応用情報技術者』(マイナビ)、『やさしい基本情報技術者問題集』『やさしい応用情報技術者問題集』(ソフトバンククリエイティブ)、『問題解決に役立つ生産管理』『問題解決に役だつ品質管理』(誠文堂新光社)などがある。

スペシャルトピックスPR

attokyo2001
yamaha2001
soltec2001

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】5G思考 「大転換」を勝ち残るための8つの思考
<野村総研 桑津浩太郎氏>人とAIのハイブリッド <ALSOK>マルチタスク化 <北海道大学 教授 野口伸氏>無人化 <クロサカタツヤ氏>ユーザー企業主導 <Jリーグ、パシフィックリーグマーケティング>デジタルの絆 <時空テクノロジーズ>インタラクティブな共有体験 <東京都、前橋市>つながる都市 <テラドローン>タイムマシン経営

[インタビュー]グレープ・ワン 小竹完治社長「ローカル5Gは地域BWAと全然違う」 [ソリューション特集]SD-WAN & WAF ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

一般社団法人新規事業・新規市場創出研究会国内唯一の5G/6G調査研究会!

「5Gでの日本の遅れを取り戻したい」。5G、6G、MaaSをテーマにした調査研究会が4月に運営開始する。

sXGPsXGPはローカル5G導入の第一歩

まもなく帯域が拡張されるLTEベースの自営無線「sXGP」は、ローカル5G導入のファーストステップとなる!

マクニカネットワークスHACCP対策の切り札となるIoT
LoRaWANで冷蔵庫内もデータ取得

食品業界に義務付けられるHACCP。IoTで手間と人為的ミスを削減できる

住友商事マシネックスついにオラクルがSD-WANに参入!
 クラウド接続に最適な高品質NW

Oracle Failsafe SD-WANは、ネットワーク品質を劇的に変化させる。

APRESIA Systemsローカル5G参入を強力サポート

APRESIA Systemsの「ローカル5Gシステム」はローカル5Gに必要な機能に絞り込み、導入を強力サポート

NECプラットフォームズ教育用ネットワークをトータル提案
IPv6活用でコスト削減・高速化

快適な校内無線LANには、VPNなど校外NWの整備も必要だ!

アット東京AWSやGCPなどメガクラウドに
直結する新時代のデータセンター

アット東京のデータセンターは“つなぐ”価値に磨きをかける!

ヤマハ仮想NWを始めるならヤマハで!

ヤマハの仮想ルーター「vRX」なら、これまでのノウハウをクラウドでも活かせる。

日本ソルテック学校ネットワークを簡単・安価に

日本ソルテックのクラウド管理型無線LANは、専門学校、介護施設を中心に豊富な導入実績!

シスコシステムズ世界で選ばれているオンライン会議
簡単にワンクリックで会議に参加!

Cisco Webexは社内外、誰とでも高品質なオンライン会議が行える。

エイチ・シー・ネットワークス株式会社ネットワークに迫る人手不足の危機
遠隔監視と予防保全で乗り越えろ!

光ファイバの保守現場の深刻な技術者不足。日立金属はどう対応した?

ハイ・アベイラビリティ・システムズ「全て」を一括認証できるSSO
簡単導入でパスワード管理から解放

AccessMatrix USOなら導入や運用も容易にシングルサインオンを実現!

ジェムアルト株式会社マルチクラウド時代の情シスを救う
認証プラットフォーム!

認証・特権ID管理をきめ細やかに! 自社サービスとしても展開可能。

アクセスランキング

dwpreport
tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます