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クアルコムのIoT戦略、「賢いデバイス」がエッジコンピューティングをリード

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2017.12.18

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IoTのターゲットはセンサー端末だけではない。インテリジェント化されたクルマ、ドローン、ウェアラブルなどもIoTの対象だ。クアルコムのIoT部門の責任者ラジ・タルーリ氏は、インテリジェント化されたIoTデバイスを中心としたエッジコンピューティングにより、新たな市場の開拓に挑む考えを明らかにした。


クアルコムは2017年12月15日、報道関係者を対象にIoT事業戦略の説明会を都内で開催。米国本社IoT担当シニアバイスプレジデントのラジ・タルーリ氏が、同社のIoTに対する考え方を説明した。


クアルコムテクノロジーズ IoTプロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデント ラジ・タルーリ氏

タルーリ氏は、冒頭で「IoTをドライブする技術はモバイルをドライブする技術だ」と述べ、IoTを牽引していくものとして、①世界市場で年間10~15億台のデバイスが出荷されるスケール感、②非常に早い技術革新のスピード、③高度な技術要素が小さな筐体に統合されているモバイルで培った技術の3要素を提示した。

クアルコムはスマートフォン/タブレット端末で広く用いられているモバイルSoC製品「Snapdragon」をIoT向けにも展開しており、すでに監視カメラやウェアラブル端末、ドローン、情報家電などに利用されている。同社はこの取り組みを、さらに発展させていこうとしているのだ。

その上で、5Gの重要な要素であるエッジコンピューティングの動向について、「IoT機器が出てきた頃、主にクラウド上にあったインテリジェンスが、ネットワークのエッジ側にあるデバイスに移ってきている」(タルーリ氏)と説明した。

また、エッジコンピューティングが求められる背景として遅延とコストをあげ、「エッジコンピューティングは、クラウド主導型から、エッジとクラウドを組み合わせて課題解決を図る“ハイブリッド型”のアーキテクチャーに移行していく」という見解を示した。これにより、遅延の短縮、通信コストの低減、ネットワーク資源の有効活用が可能になる。

エッジコンピューティングでは、エッジ側のデータ処理をどこで行うかが議論となっているが、クアルコムは、インテリジェント化されたデバイスがその担い手になると考えている。


IoTはクラウド中心型からハイブリッド型へ進化する

タルーリ氏は、こうしたインテリジェントなデバイスには、非常に高い処理能力、複数タスクの同時処理、電源の常時オンなどの要件と省電力を両立させることが不可欠だとし、「まさにこれらは我々がモバイルにおいて取り組んできたものだ」と述べた。

さらに、その具体策として、クアルコムが推進している「ヘテロジニアスコンピューティング」のアーキテクチャーを紹介した。チップセットの内部に複数のブロックを設け、CPU、GPU、ビデオ向け専用半導体(DSP)、モデムなどを、用途に応じて使い分けるというもので、ISnapdragonでこのアーキテクチャーが用いられているという。 


Snapdragonに用いられているヘテロジニアスコンピューティングのアーキテクチャー

プレゼンテーションの最後でタルーリ氏は、Snapdragonを採用したIoTデバイスの例としてソニーの新AIBOを挙げた。自身が日本で製品化された世界初のカメラ付き携帯電話に携わった経験を踏まえ、「IoTの次の非常に大きな技術革新は日本で生まれると考えている」と期待を寄せた。

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