企業ネットワーク最前線

<特集>実験で分かった!LPWAのホントの実力(第4回)

LPWAの同時接続数は? - ドコモは100台まで検証済

文◎唐島明子(編集部) 2017.06.16

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

爆発的な数のモノがネットワークにつながるIoT時代において、どれくらいのデバイス数を収容できるかは重要なポイントだ。LPWAの代表格、LoRaWANとSIGFOXは何台くらい接続できるのだろうか。

 
「1台のLoRaWANゲートウェイ(基地局)あたり、100台のエンドデバイスを接続しても、問題なく運用できることが検証できた」

これは、NTTドコモの証言だ。接続数の限界値を試した実験ではないが、ドコモがLoRaWANを活用したIoTサービスに求められる収容数の1つの目安としていた100台までなら問題なく接続できたという。

同社は、2017年4月から「ドコモIoT/LPWA実証実験環境」をスタートさせるにあたり、R&Dセンターで昨年11月から今年3月にかけて、LoRaWANの実験を重ねてきた。実際に気温、湿度、CO2濃度、PM2.5などのセンサーをエンドデバイスとして作り込み、ゲートウェイに接続した。

100台という数は、あくまでも目安であって、全てのIoTサービスにあてはまるわけではない。それぞれのIoTサービスの要件、例えばデータサイズやデータの送信頻度、許容されるデータ欠損率などによって、100台では多すぎたり、逆に100台以上接続できるケースも出てくる。
1台当たり数100ミリ秒気を付けたいのは、ドコモは実験を重ね、設定をチューニングする中で、100台を達成していることだ。はじめから誰もが簡単に、トラブルなく100台のデバイスを接続できるわけではない。

それでは、多数デバイスの接続にあたり、どのような点を考慮する必要があるのだろうか。

複数台のエンドデバイスを接続する実証実験は、アズビル金門も行っている。同社は、日本IBM、菱電商事などと共同で、北海道に設置された水道・ガスメーターからLoRaWANでデータを取得した。実際のフィールドだったため大規模な実験は難しく、1台のゲートウェイあたり3台と、接続した水道・ガスメーターの数こそ少ない。しかし、その検証を通じて、多数接続のポイントが見えてきたという。

「3台のメーターから、全く同じタイミングでデータを上げると、1台分のデータしか取得できない。残りの2台は再送モードに入る。再送制御についてしっかり考えておく必要がある」と、アズビル金門の奥野氏は説明する(図表)。

 

図表 水道メーター検針の実証実験で分かったこと
図表 水道メーター検針の実証実験で分かったこと


2台の再送が、再び全く同じタイミングになると、片方のデータしか取得できないため、2回目の再送を行わなければならない。そのようなイレギュラー処理を考慮する必要があるというのだ。

これが100台だったら、2回の再送では済まない。奥野氏は、「100台を接続する場合、再送シーケンスを10回で終わりにしていると、残りの89台の水道・ガスメーターからはデータを取得できなくなることなどが分かった」と言う。

再送シーケンスの回数を増やすという方法もあるが、LPWAのメリットである省電力を実現するためには、できるだけ再送回数は少ないほうがいい。そこで各メーターのデータ送信にかかる時間を見積もり、同じタイミングにならないよう、送信タイミングをずらしたりすることになる。

「メーター1台当たりの通信時間は、数百ミリ秒あれば十分。ほんの少しだけデータ送信のタイミングをずらせばいい」と奥野氏。

その手法はいくつかある。その1つとして同氏が挙げるのは、「1台のゲートウェイあたり100台のメーターを接続する場合、100ミリ秒ずつデータをあげる順番をずらしたうえで、送信失敗後、リトライする時間をランダムに変える方法」だ。

前述のドコモの100台という接続数も「100台接続した時、どのようにデータ送信のタイミングをずらしていくと、データ欠損を最適化できるかを考慮」して実現したものだという。LoRaWAN環境の構築には、こうしたノウハウも重要となる。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

mi1811
yamaha1811
hcnet1812

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】ネットワーク未来予想図2019

◆5Gは日本でこう始まる ◆5Gが自営網で利用可能に ◆Wi-Fiは10年振り大進化 ◆LPWAは爆発的に伸びる? ◆sXGPは秋に立ち上がる ◆400ギガイーサがやってきた ◆IoT-PLCの普及元年に ◆企業ネットはクラウド制御へ

●[インタビュー]NTTドコモ 執行役員 IoTビジネス部長 谷直樹氏/●ソフトバンクが狙うLPガス市場/
●働き方改革で重要性増すコラボツール/●「位置」の活用で生産アップ ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

ヤマハヤマハ独自の音声処理技術で
高音質な遠隔会議を実現!

しかも、規模に合わせて最適なマイクスピーカーが選べる。

TCloud for BizChat「月額180円」という低価格で
本格的な企業向けチャット!

都築電気の「TCloud for BizChat」の最大の特徴が安価な料金だ。

NTTテクノクロス長時間聞き取りやすい!
電話機とつなぐだけで会議を開始

NTTテクノクロスのマイクスピーカーならクリアな音声で遠隔会議。

日立ソリューションズ作業実績を簡単に収集&見える化
「IoTサイコロ」で製造現場改革!

製造現場の働き方改革の「切り札」がIoTサイコロだ。

漏洩同軸ケーブル(LCX)Wi-Fi電波を出すケーブルとは?

無線LANの不感知エリアの撲滅に効果的な「漏洩同軸ケーブル(LCX)」を使いこなせ!

ジュピターテクノロジー標的型攻撃対策としてのログ管理
7万エントリー/秒の高速処理!

ジュピターテクノロジーなら超高速処理と大規模環境に対応できる。

ノキアG.fastで簡単マイグレーション
VDSL回線を1Gbpsに高速化

ノキアのG.fastを使えば、既存のVDSL回線を気軽に高速化できる。

ヤマハどうする?データ/音声に使用中のISDN移行問題

モバイル回線へのマイグレーションで、BCP対策との一石二鳥を実現!

MI「止まらない」M2M/IoTルーターで低コストに3G/LTEへの移行を可能に

現行の設備はそのまま、ISDN/PHSを安価にIPへ移行できる!

ハイテクインター数十km先を高速でつなぐ屋外無線
PoEも900mまで延長できる!

ネットワークの“難所”で高速・安定通信を実現するハイテクインター

NECマグナスコミュニケーションズPHS/ISDNからLTEへ簡単移行!

NECマグナスの音声対応LTEルータ「uM320V」なら既存設備はそのままでLTEへ移行できる。

日本ソルテックライセンス管理も楽なクラウド管理型Wi-Fiで、全国拠点を簡単運用

柔軟なライセンス体系と優れたコストで好評なZyxel社のNebula

ゾーホージャパン低価格フローコレクターで
シスコ機器を使い倒そう!

シスコ機器が備えるNetFlowやIP-SLAを活用し、きめ細やかな監視を!

リバーベッドテクノロジーアプリの体感品質を可視化 そのトラブル解決に留まらない効果とは?

「SaaSのレスポンスが遅い」。IT部門の悩みをリバーベッドで解消!

アクセスランキング

tcb
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます