ICT×未来

ワークスタイル変革Day 2016 講演レポート

野口悠紀雄教授「AIとブロックチェーンによる働き方の激変がこれから始まる」

文◎太田智晴(編集部) 2016.10.11

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

ITの進展に伴い、ワークスタイルの変革が進んできたが、今から起こる変化は、これまでとは比較にならないほど劇的なものになるかもしれない。早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問/一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏は、AIとブロックチェーンが私たちの働き方に重大な変化をもたらすと予見する。

 

「今、非常に大きな変革の時代に差し掛かっているのは事実」――。私たちの働き方の未来について、こう指摘するのはベストセラー『「超」整理法』シリーズなどで著名な早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問/一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏だ。

ITの進展に伴い、我々のワークスタイルは大きく変化してきたが、野口教授によれば今後さらに劇的な変革が待ち受けている。それを引き起こすのは、「人工知能(AI)」と「ブロックチェーン」の2つの破壊的技術だ。

9月14日に開かれたイベント「ワークスタイル変革Day 2016」において、「ITの進展と働き方の改革」と題して行われた野口教授による基調講演の概要をレポートする。

 

早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問/一橋大学名誉教授 野口悠紀雄氏
早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問/一橋大学名誉教授 野口悠紀雄氏



ITによる働き方改革に成功した国と失敗した国野口教授によれば、ITによる働き方の改革が始まったのは1990年代。「ITは場所をとらわれずに働くことを可能にした」が、この変化に「うまく対応できた国と、対応できなかった国がある」というのが同氏の見方だ。

うまく対応できた国の代表は、アメリカとイギリスである。例えば米国企業は、インターネットの普及により、通信コストが限りなくゼロに近付いたことを活用し、国際的な分業を進めた。企業内の一部の仕事を、インターネットを使ってアウトソースし始めたのだ。アウトソースする業務は当初、コールセンターなどの単純な仕事が中心だったが、次第にデータ処理や会計処理、法律事務など、かなり専門的な仕事についてもアウトソースするようになる。

「これがアメリカの就業人口を、単純な仕事から高度な仕事に移行させるうえで、非常に大きな意味を持った」と野口教授。実際、サービス産業の生産性を比較すると、アメリカやイギリスの伸びは顕著な一方、日本は低い水準にあるという。

インターネットを活用した分業という、ITによる働き方改革を推し進めたかどうかが、この差を生んだ大きな一因というわけだ。

もちろん、この背景には言葉の問題もある。米国企業の主なアウトソース先は最初がアイルランド、次にインドだった。ともに英語国であり、言語の問題はない。

ただ、野口教授は「英語の問題は確かにあった」としながらも、次のように指摘した

「日本の地方都市の衰退が激しいことは改めて申すまでもないが、その大きな理由は地方に就業の機会がないからだ。ただし、ITを使えば、場所に制約がないわけだから、東京の企業が仕事を地方にアウトソースすることは十分可能だ」

にもかかわらず、米国企業で進んだような、ITによる場所にとらわれない働き方が進まなかったのは、「日本の企業文化や、仕事の進め方に一番の原因があったと思う」。

例えば、製造業もそうだ。90年代、米国の製造業では、水平分業化が進展した。製品開発や販売は自社で行うが、製造は他社に任せるファブレス企業の成功例が次々と登場したのだ。例えばアップルである。

「ところが、日本の場合、水平分業に対応することができなかった。その理由は『日本が水平分業を知らなかったから』ではない。そうではなく、『工場をなくせば、工場の労働者が失業してしまう。それはできない』という企業文化が大きな理由だ」

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

necm1811
hytec1811
mi1811

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】LPWA、再加速
●Sigfox&LoRaの現在地/●注目の新興LPWA「Zeta」「ELTRES」の勝機/●アナリストが見通すLPWAの今とこれから/●セルラーLPWAが本格開始!ドコモ、KDDI、ソフトバンクのIoT無線戦略

●東大 江﨑浩教授インタビュー「デジタルとリアルの逆転経済へ」/●対応急がれるISDN&PHSマイグレーション/●ワイヤレスファースト!クラウド型から始まるネットワーク変革/●A10のCEOが語る「5G網の防衛術」/●産業制御システムの守り方とは?

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

ヤマハどうする?データ/音声に使用中のISDN移行問題

モバイル回線へのマイグレーションで、BCP対策との一石二鳥を実現!

MI「止まらない」M2M/IoTルーターで低コストに3G/LTEへの移行を可能に

現行の設備はそのまま、ISDN/PHSを安価にIPへ移行できる!

ハイテクインター数十km先を高速でつなぐ屋外無線
PoEも900mまで延長できる!

ネットワークの“難所”で高速・安定通信を実現するハイテクインター

NECマグナスコミュニケーションズPHS/ISDNからLTEへ簡単移行!

NECマグナスの音声対応LTEルータ「uM320V」なら既存設備はそのままでLTEへ移行できる。

日本ソルテックライセンス管理も楽なクラウド管理型Wi-Fiで、全国拠点を簡単運用

柔軟なライセンス体系と優れたコストで好評なZyxel社のNebula

ゾーホージャパン低価格フローコレクターで
シスコ機器を使い倒そう!

シスコ機器が備えるNetFlowやIP-SLAを活用し、きめ細やかな監視を!

リバーベッドテクノロジーアプリの体感品質を可視化 そのトラブル解決に留まらない効果とは?

「SaaSのレスポンスが遅い」。IT部門の悩みをリバーベッドで解消!

ライトL3スイッチ「SWX3100-10G」行き詰まる小規模NWを変革しよう

高価なレイヤ3スイッチには手が出ないが……。そんな悩みに、新たな選択肢をヤマハが提供する。

IntelligentAVAIエンジンで未知の脅威も自動検知

ウォッチガードのUTMに、マシンラーニングでマルウェアを検知する「IntelligentAV」機能も加わった。

Gigamon通信事業者での採用実績多数!
セキュリティ機器コストも大幅削減

今注目のネットワークパケットブローカー。そのNo.1メーカーとは?

PRTG Network Monitorネットワーク監視を簡単スタート!

NW監視の重要性は分かっているが、人材も予算も不足――。そんな企業に知ってほしいのが「PRTG」だ。

Big Switch Networksウンザリする運用管理とサヨナラ

大量のスイッチを個別に設定・管理する従来型NW運用を、Big Switch NetworksのSDNで革新しよう!

ユニアデックス次世代のネットワーク運用とは?

先進企業はもう始めている「Big Cloud Fabric」によるネットワーク運用変革を事例に学ぶ。

リボン・コミュニケーションズ多様なリアルタイムコミュニケーションでシームレスな通信を実現!

SBCを強みとする2社が合併して誕生したリボン・コミュニケーションズ

SAS Institute Japanデータ解析、もうやり尽くしたと思うのはまだ早い

さらなる品質改善やコスト削減を実現したあの先進企業とは?

アクセスランキング

tc1809
ws58

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます