「世界を変えた10のモバイルアプリ」に企業が学ぶべきこと(前編)

TwitterやAmazonプライスチェック、Uberなど、様々なモバイルアプリが、私たちの生活とビジネスに変革をもたらしている。ガートナーは「世界を変えている10のモバイルアプリ」を選定し、これらのモバイルアプリから企業が学ぶべき“秘訣”をレクチャーした。

「素晴らしいモバイルアプリを作る方法は、PCアプリとは異なっている。では、その秘訣は何なのか」 ――。

米ガートナー リサーチでバイス プレジデントを務めるイアン・フィンリー氏は、2014年10月に開催された「ガートナー シンポジウム/ITxpo 2014」で、「世界を変えている10のモバイル・アプリケーション」と題する講演を行った。

そこで語られたのは、我々の生活や仕事のやり方を変革している10のモバイルアプリに学ぶ、これからのビジネスに必要な考え方だ。

米ガートナー リサーチ バイス プレジデント イアン・フィンリー氏
米ガートナー リサーチ バイス プレジデント イアン・フィンリー氏

<1>Twitter――革命の始まり

まずフィンリー氏がPowerPointで示したのは、エジプトの「アラブの春」の写真である。アラブ世界に2010年頃から広がった大規模な民主化活動で、Twitterが大きな役割を果たしたことはよく知られている。「何万、何十万もの人が何の組織もなく集まった。これはTwitterがなければ、できなかったことだ」

Twitterをはじめとするソーシャルが変革したのは、政府と市民、企業と顧客の間のパワーバランスである。「Tweetすると、100倍で広がっていく。もはや政府機関や民間企業は、メディアの支配力を失った。市民や顧客とのパワーバランスは根本的に変わり、従来のリーダーは危機に直面している」

こうした根本的な変化に対して、企業のPRとマーケティングがするべきことは「インサイドアウト」――まず顧客の声を“傾聴”して自分たちを変革し、それから外に向かってソーシャルをうまく活用していくことだという。

「皆さんは革命を起こして政府を倒そうとは思っていないだろうが、ソーシャルを使えば、皆さんの世界に革命を起こせる」

<2>Amazonプライスチェック――いつでも到達範囲内に

小売業界では、「ショールーミング」が大きな脅威として語られている。ショールーミングとは、リアルの店舗で商品を確認するが、その店舗では買わず、価格がより安いネット通販で購入する消費行動のことだ。リアル店舗がネット通販サイトの「ショールーム化」されることから、このような名前が付いている。

フィンリー氏が世界を変えているモバイルアプリの2番目に挙げたのは、このショールーミングの代名詞的存在であるAmazonのアプリだ。

「Amazonはこのアプリで、すべての競合店舗に入り込むことに成功した。競合店舗の中に『プライスチェックをしなさい。Amazonの方が安いですよ』というポスターを掲げているようなものだ」

Amazonのモバイルアプリから学べる秘訣は、「いつでも到達範囲内に」――。「消費者にとって、Amazonのアプリは不可欠なものになっている。人々は文字通り、Amazonをポケットに持っているのだ」

Amazonが成し遂げたように、企業は顧客にとって必需となるアプリを提供し、いつでもどこでも顧客をサポートできるようになるべきだという。

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