UTM市場でシェアNo.1のフォーティネット。他のUTMベンダーが続々と「次世代ファイアウォールベンダー」と名乗り始める中にあっても、「UTM」という言葉にこだわりを持ち続けてきたように見えたのが同社だ。しかし、そのフォーティネットも、ついに次世代ファイアウォールという言葉を前面に出して、マーケティング活動を行っていく。
フォーティネットの概要 |
2013年9月11日に開かれた記者会見で、フォーティネットジャパン 社長執行役員の久保田則夫氏は、その理由を次のように説明した。
「UTMというとSMBのマーケットに強いイメージがある。それがフォーティネット自身のブランドイメージになっている側面があり、エンタープライズからは『品質やパフォーマンスが悪いのではないか』というイメージを持たれることがあった」
次世代ファイアウォールの一番の特徴は、アプリケーションの可視化・制御機能だ。フォーティネットのUTMも従来からアプリケーションの可視化・制御機能に対応しており、その意味では次世代ファイアウォールを名乗るかどうかはマーケティング上の問題でしかない。今後も中小企業向けについてはUTMという言葉を使い続ける。
フォーティネットのブランドイメージ戦略 |
大企業向け次世代ファイアウォールの中核を担うのは、「FortiGate-3600c」だ。FW/VPN、IPS、アプリケーション制御という次世代ファイアウォール機能に、さらにサンドボックスなどのAPT(標的型攻撃)対策機能のライセンスをバンドルしたモデルを用意している。参考価格は1835万2000円。
FortiGate-3600c |
プロダクトマネージメント部 部長の伊藤憲治氏はFortiGate-3600cについて、「過酷な大企業の環境のなかで、期待通りに稼動するように設計されている」と述べたうえで、APT対策やログ機能を同時に使用しても「パフォーマンスは劣化しない」とその検証データも示してみせた。