<企業向け5Gルーター最新ガイド> LAN/WAN構築から映像伝送、ローカル5G電波調査も!

5Gルーターへの注目が高まっている。企業向けにも、複数拠点のWAN構築から、映像伝送やローカル5G電波測定を実現するものまで、ビジネス用途で求められる品質を備えた5Gルーターが揃いつつある。

5Gの普及が進む昨今、様々なビジネスの現場で、エッジデバイスを5Gネットワークに接続して使いたいというニーズが増えている。そこで今、注目を集めているのが、エッジデバイスと5Gネットワークのハブとしての役割を果たす5G対応ルーターだ。これまで固定回線の配線工事や複雑なネットワーク構築を必要としていた高速通信の整備が、5Gと対応ルーターの登場によってより手軽に、しかも無線で実現できるようになっている。

すでに個人向けの5Gルーターは市場にさまざま出ているが、企業向けにも、品質、実用性ともに十分な製品が揃いつつある。中には、単に5Gネットワークに接続するだけでない独自機能を備えたものや、新たなユースケースを開拓しているものもあり、業務のリモート化やDXの可能性を大きく広げそうだ。

Wi-Fi 6APと組み合わせ
例えば、アライドテレシスでは据え置き型の5Gルーター「AT-AR4050S-5G」の提供を予定している。対応する周波数は5GのSub6帯と、LTE、3G。NSA/SA両方で利用できる。デュアルSIM仕様になっており、2キャリアのSIMを挿すことでそれぞれActive回線、Backup回線として利用可能だ。有線WANポートも備えているので、モバイル回線だけの通信が不安な場合はメインもしくはバックアップの通信手段として、片方を有線にすることもできる。

アライドテレシスの「AT-AR4050S-5G」(縦置き)
アライドテレシスの「AT-AR4050S-5G」(縦置き)

また、「光回線と5Gを組み合わせ冗長性のある構成にして、当社のSDWAN機能『AMF-WAN』やインテントベースマネージメント機能『AIO』を利用することで、例えば高信頼性が求められるアプリケーションや、データ容量が重いものは1Gや10GのWANに流し、5Gは低遅延性が求められる通信などに使うように振り分けていくことも考えられる」とアライドテレシス マーケティング統括本部Global Product Marketing部の星秀(しゅう)氏は説明する。

アライドテレシス マーケティング統括本部 Global Product Marketing部 星秀(しゅう)氏
アライドテレシス マーケティング統括本部 Global Product Marketing部 星秀(しゅう)氏

同社では、これにWi-Fi 6対応のアクセスポイント(AP)「AT-TQ6602」を組み合わせ、構内通信を無線化する使い方を提案している。スモールオフィスや個人クリニックなど単一拠点のLANから、複数拠点で構成される大規模なWANまで構築できる。

工場や倉庫におけるAGV(自動搬送車)の通信手段としても有効だ。一般的なWi-Fi APではAGVが移動し、接続先のAPが切り替わる度に通信が途切れてしまう。AT-TQ6602はアライドテレシスの独自技術「AWCCB」に対応予定で、これは複数のAPを仮想的に1つのAPとして扱うため、APが変わった場合でも途切れることなく通信を続けることができる。

「ローカル5Gシステムを入れるよりも非常に安価。リプレースする際もルーターだけ入れ替えればよいので、手軽でコストも抑えられる」(星氏)

図表1 AT-AR4050S-5Gを使った単一拠点での構成例

図表2 AT-AR4050S-5Gを使った単一拠点での構成例

月刊テレコミュニケーション2021年7月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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