メディアフロージャパン企画が総務省に受託放送事業計画の認定申請

メディアフロージャパン企画は2010年6月7日、総務省の関東総合通信局で、携帯端末向けマルチメディア放送に係る受託放送事業の認定申請を行った。増田和彦社長が関東総合通信局の武内信博局長に「開設計画認定申請書」を手渡した。

関東総合通信局の武内信博局長(左)に申請書を手渡す増田和彦社長(右)

携帯端末向けマルチメディア放送は、テレビのアナログ放送終了に伴って空くVHFの周波数を使って2011年度中にも始まる放送サービス。メディアフロージャパン企画は、KDDIが80%、米Qualcommが20%出資するジョイントベンチャーであり、MediaFLO技術によるマルチメディア放送の提供を目指している。6月4日にはISDB-Tmm技術によるサービス提供を目指している、NTTドコモなどが出資するマルチメディア放送(MMBI)も認定申請を行っており、今後総務省が比較審査を実施し、認定先の1社を決定する。

申請後、増田社長は武内局長にiPadを用いてMediaFLOの特徴を説明した

申請後、記者団の質問に応じた増田社長は、「審査がいつまでということは明示されていない」と前置きしたうえで、「7月14日に電波監理審議会があるので、最速ではその時に決まるだろう」との見通しを語った。8月には電波監理審議会は予定されていないため、7月14日に決定しない場合は、9月以降になる。

審査について増田社長は「2社のうち1社ということは、結果的に技術方式の選択になる」と語った。そのうえで、MediaFLO技術の優位点として低消費電力と周波数効率が良いことを挙げた。また、すでにサービスを開始している米国のほか、アジア、南米、欧州の約20カ国で導入に向けた議論が進んでいることを明かし、「グローバルでシステムを形成できればチップも安くなり、低廉で高品質のサービスが提供できる」と強調した。

ビジネスの採算性については「オンデマンドサービスは通信で対応するしかないが、例えば新聞のように毎朝決まった時間に不特定多数のユーザーに配信するようなものは、放送波で送ったほうがはるかに効率がよい」という。また、「新聞の場合、通信での配信だとユーザー自身が操作してコンテンツを取りに行く必要があるが、放送波なら1度加入登録をすれば、毎朝定時に配信されるため、ユーザーは操作の煩わしさから解放され、コンテンツを利用する人の裾野を拡げることができる。そこに我々のビッグチャンスがある」と語った。

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