ハムステッド、ホシデン、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2020年1月23日、レジャー用船舶とその乗船者の見守りシステムを構築し、実証実験で有効性を確認したと発表した。
この見守りシステムは、LPWAのSigfoxを活用したもの。実証実験では、プレジャーボートと乗船者にSigfox対応のボタン付き発信機を装着。事故によりマリーナに帰港できなくなったプレジャーボートの発見と救助、さらに落水した事故者の捜索を想定して実験を行った。
実証実験のイメージ図
水難事故の救助が遅れる原因としては、「携帯電話で救助を要請しても現在位置を正確に伝えられない」「救助が来る間に流されて現在地が変わってしまう」「そもそも救助を要請する連絡手段がない」等が挙げられる。琵琶湖でも、プレジャーボートが予定の帰港時間を過ぎたことから異変に気付き、救助を要請することがあるが、広大なために捜索が困難になっているという。
実験では、湖上での安定的な通信や位置情報の正確性、落水した事故者が発信機のボタンを押下することにより救難信号を発信できることなどが確認できたという。
実証実験の様子
今回の実験結果を受けて、実験に協力したマリーナ会社、リブレはシステムの本導入を決めた。
リブレ 代表取締役の相坂奈央子氏は、「これまでは、帰港予定時間が過ぎてもボートが戻ってこない場合は乗船者に連絡をしていたが、連絡がつながらない時は広い琵琶湖のどこにいるか位置が特定できないため、どうすることもできなかった。今回実験をしたシステムでは、事務所のパソコンやスタッフのスマートフォンでボートの現在位置がすぐに把握できるので、トラブルの可能性があると分かれば、速やかに救助に向かうことができる。また充電式なので、電源設備を搭載していない小型ヨット等でも繰り返し使用できるところもありがたい」と述べている。