KDDIがスマートドローンを商用化――広域監視など用途別に

2019.03.06

ページタイトルとURLがコピーされました

KDDIは2019年3月6日、スマートドローンを活用した用途別ソリューションを同年6月より順次提供開始すると発表した。

スマートドローンを活用したソリューションのイメージ

スマートドローンとは、KDDIの携帯ネットワークを利用することで、より長距離かつ安全な運用を可能としたドローンを指す。今回提供されるのは、①広域監視、②鉄塔点検、③風力点検、④測量解析、⑤精密農業の各ソリューション。これらのソリューションを実現する基盤システムとして、アンライセンス通信に加えてLTEにも対応することでクラウド連携や遠隔監視・制御を実現する通信、用途に応じた機体、気象・地図、運航管理からなるプラットフォームを活用する。

広域監視は、災害発生時に鉄道や道路などのインフラをスマートドローンで巡回し、遠隔から現場の被害状況を確認することができる。監視センターでは、遠隔からドローンの飛行ルートの設定、飛行指示、飛行中の映像の確認を一元的に行える。

災害時に、遠隔から現場の被害状況を確認できる

鉄塔点検は、ドローンが鉄塔を巡回した際に3Dモデルを作成。点検箇所についてドローンが指定する角度・範囲でピンポイントで撮影する。データ管理やレポート作成が自動で行われる。従来の作業員による点検は高所で危険を伴ううえ、時間やコストがかかっていた。一方、ドローンを使った点検では、操縦者のスキルによって品質が左右され、点検精度の向上が求められていた。KDDIの無線基地局における実証実験では、作業員によるマニュアル点検と比べて作業工数が約1/4に削減されたという。

無線基地局で行われた実証実験では、作業工数が約1/4に削減されたという

風力点検も鉄塔点検と同様、作業効率化や安全性が課題となっている。風力点検ソリューションは、風力タービン周囲をドローンが撮影し、データの処理・管理やレポート作成を自動的に行うことで、作業効率を大幅に向上するとともに安全な点検を実現する。風力点検用には、風速16mまで耐える機体「KD-W01」が用いられる。