ネットワークにつながらなければ、いまや何もできない。ところが、通信インフラの構築や確保が難しい場所やシーンは、現在もまだまだあるものだ。
そこでWTPのNECのブースで提案されていたのが、「インフラレス通信Box」である。まだ開発中だが、通信インフラのない環境において、無線LANを迅速に構築できるという。
インフラレス通信Boxの概要 |
インフラレス通信Boxは、複数のBox間をマルチホップでつなぎ、その一帯を無線LANエリア化するソリューションだ。どれか1台は光ファイバーやLTEなどに接続している必要があるため「完全なインフラレスではない」が、最大ホップ数は5くらいで「大体800~900メートル四方を無線LAN化できる」(ブース説明員)という。
各Boxはバッテリーも内蔵しているため、電源がない環境でも利用可能だ。また、ストレージも内蔵。不安定な電波環境であっても、転送データをBox内に蓄積しておき、隣接するBoxとのリンクができた機会を見つけて間欠的にデータ転送することができる。
開発中のインフラレス通信Box。災害現場などでの利用も想定したヘビーデューティな作り |
具体的な利用シーンだが、「当初は災害現場を想定していたが、800~900メートル四方だとちょっと狭い」と説明員。そこで今、特に狙っているのが工場だ。ケーブルの新規敷設が難しい工場は多く、ニーズがあるという。また、イベント会場などでの臨時・仮設の通信手段としても期待しているそうだ。