第15回 次世代ネットワーク&サービスコンファレンス開催顧客獲得競争から協創の時代に――ユーザーニーズがSDN/NFVを牽引

通信事業者のビジネスを支える最新技術・ソリューションをテーマにした専門イベント「第15回次世代ネットワーク&サービスコンファレンス」(主催・リックテレコム)が、2015年11月26日、東京・御茶ノ水のソラシティカンファレンスセンターで開催された。

同カンファレンスは毎年この時期に、通信・放送事業者、データセンタ事業者、サービスプロバイダー、コンテンツプロバイダー、SIer/NIer、ソフト開発者、ベンダーなどを対象に開かれている。

各セッションは多くの聴講者で賑わった

今回は「新サービス・ビジネス創出戦略」「ネットワーク/サービス基盤戦略」「4G/5G戦略」の3コース、計14セッションが設けられ、各コースの基調講演はNTTドコモ代表取締役副社長の吉澤和弘氏、KDDI理事技術統括本部技術開発本部長の宇佐見正士氏、NTTドコモネットワーク部技術企画部門担当部長の平松孝朗氏が行った。

NTTドコモ代表取締役副社長の吉澤和弘氏

吉澤氏の講演では、同社が推進する多彩なアライアンス戦略など、新たな成長に向けたドコモの取り組みが説明された。吉澤氏は「加熱する顧客獲得競争から脱却し、付加価値の協創に取り組んでいく」と強調し、これにより「新たなサービスやビジネスによる産業の活性化、様々な社会的な課題の解決が図れる」という見方を示した。

KDDI理事技術統括本部技術開発本部長の宇佐見正士氏

KDDIの宇佐見氏は講演の冒頭で「SDN/NFVはあくまで手段、シーズではなくユーザーニーズによってネットワーク、社会が変わっていく」と述べ、この視点からKDDIのNFVへの取り組みなどを説明した。宇佐見氏は「NFVの導入においては自動運用とオーケストレーションが重要なファクターになる」として、KDDI研究所のNFV実証実験などを紹介し、「KDDIはSDN/NFVを活用してユーザーセントリックを実現していく」と講演を締めくくった。

NTTドコモネットワーク部技術企画部門担当部長の平松孝朗氏

平松氏の講演では、ドコモが今春導入し10月に300Mbpsの超高速サービスを実現した「PREMIUM 4G」の現状と今後の進化の方向性が解説された。平松氏はPREMIUM 4Gの大きな特徴の1つを「4つの周波数帯を活かして6種類のキャリアアグリゲーションを展開、端末能力と電波状況に合わせて最良のものを提供している」点にあるとする。さらに2016年度には3.5GHz帯を利用して370Mbpsへ高速化する計画だ。2020年に予定されている5Gでは、「4Gを超える高速・大容量通信に加え、すべての“モノ”をつなぐ通信が提供できるようになる」という。

各セッションでは、ノキアソリューションズ&ネットワークス、華為技術日本、ジュニパーネットワークス、Mellanox Technologies、NEC、日本ヒューレット・パッカード、マクニカネットワークス、デル、アリスタネットワークスジャパン、インテルが、それぞれの分野の最新の技術トレンドをテーマに講演を行った。これらの内容については、順次抄録を掲載していく予定だ。

展示ブースでは、デル、インテル、アリスタネットワークスジャパン、サーヴァンツインターナショナル/メラノックステクノロジーズジャパン、NEC、マクニカネットワークス、ジュニパーネットワークスが各社のソリューションを紹介した。

SDN /NFVとクラウドとの統合、ビッグデータ活用、SD-WAN、5Gなどの最新技術・ソリューションに関する講演・展示に、多くの来場者の関心が集まった。

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