ソフトバンクは2025年10月28日、ミリ波(29.1〜29.5GHz帯)を単独で運用するミリ波スタンドアローンのFWA(固定無線アクセス)通信の実証実験を実施したと発表した。
具体的には、横浜市内の施設屋上に複数のFWA用CPE(固定無線アクセス向け通信装置)を設置し、ソフトバンクが商用展開しているミリ波の基地局に接続。結果、下り最大2.38Gbps/上り最大541Mbpsという理論値に近い通信速度を確認した。また、複数の端末による同時通信においても、合計スループットの低下はなく、ミリ波スタンドアローンの構成でも安定した双方向通信を実現できることを実証したという。

特に上り通信では、CPEのビームフォーミング機能と基地局側のマルチアンテナ合成受信機能を組み合わせることで、高次変調(64QAM)に加えて2×2 MIMOを安定的に維持することに成功。この結果、従来のEN-DC方式やNR-DC方式で見られる4GやSub6側の上り通信品質の影響による変動を抑え、より安定した高速通信が実現することを確認できたとのことだ。
また、屋外に設置したFWA用CPEと既存の屋内通信環境を組み合わせることで、屋内で使用するタブレット向けに安定した通信が提供できることも確認。さらに、比較対象とした光回線と接続した屋内ネットワークと同等の通信品質が得られ、ミリ波スタンドアローンによるFWAが、光回線に匹敵する高速通信を提供できる有効な手段であることが確認できたとしている。












