NTT東日本がコンテナ型データセンター事業に参入、石狩エリアで始動へ

NTT東日本グループのNTT-MEが、コンテナ型データセンター事業への参入を発表した。2025年10月22日に記者説明会を開催し、ビル型データセンターに比べて4分の1程度の期間で建設し、運用開始できる利点を強調した。年内に、北海道石狩市にある約5万㎡の土地を取得し、最大で14基のコンテナ型データセンターを建設。1基目は2027年4月の稼働開始を計画している。

「ビル型データセンターを建てるには非常に時間がかかる。電力供給まで行って実際にオペレーションができるまでには4~5年、ひょっとすると6~7年かかる。それでは、AI用データセンターの在庫が枯渇している目の前の状況にミートできない」

NTT-ME 通信キャリア&データセンタビジネス部 データセンタ事業推進部門 部門長の水津次朗氏は、2025年10月22日に開催した記者説明会でコンテナ型データセンター事業へ参入する理由をそう説明した。

NTT-ME 通信キャリア&データセンタビジネス部 データセンタ事業推進部門 部門長の水津次朗氏

NTT-ME 通信キャリア&データセンタビジネス部 データセンタ事業推進部門 部門長の水津次朗氏

コンテナ型データセンターとはIT/ネットワーク機器と電源、冷却設備などをコンテナに集約したものだ。要件整理・設計から構築、電力供給まで約1年半と、ビル型と比べて短納期であるメリットを活かして増大するAI需要を取り込む狙いだ。

水津氏によれば、一般的なビル型のデータセンターは設計と構築に期間を要することはもちろん、「特別高圧で電力を引き込まないといけない」ことから稼働開始まで長い期間を要する。同社の調べでは、石狩エリアで72ヶ月を要するという。対して、コンテナ型データセンターなら「高圧引込で調整することで、電力供給も早ければ4カ月」で可能だ。

「短納期」がもたらす2つの強み

短納期であることの強みは、「今欲しいというお客様のニーズに、タイムリーに応えられる」(同氏)だけではない。もう1つ強調したのが、技術の陳腐化を回避できる点だ。

ビル型データセンターとのスケジュール比較

ビル型データセンターとのスケジュール比較

AIデータセンターにはGPUサーバーの消費電力の増大や高発熱化などの課題があり、それらを克服するための新技術の開発が期待される。ビル型データセンターでは、設計段階での最新技術が、4~5年後の稼働時には陳腐化しているおそれがある。対して、「コンテナ型なら、最新の技術動向を捉えてニーズに応えられる」と水津氏は話した。

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