空飛ぶクルマの社会実装へ「電波上空利用作業班」が始動

総務省は2025年10月21日、空飛ぶクルマや無操縦者航空機などの普及に伴う電波利用の現状と課題について議論する「電波上空利用作業班」の第1回を開催した。空の利用拡大に伴う電波利用需要を体系的に把握し、政策課題を整理するのが目的。2026年3月に報告書案、同年6月ごろに最終取りまとめを行う予定だ。

総務省は2025年10月21日、「電波上空利用作業班」の第1回会議をオンラインで開催した。

この作業班は、同月8日に情報通信審議会 情報通信技術分科会に属する電波有効利用委員会が設置を決定したもの。空飛ぶクルマや無操縦者航空機といった次世代の航空技術が拡大する中での電波利用の現状と政策課題について議論するのが目的である。

検討事項は次の2つだ。1つは、実証段階、有人飛行段階、無人・遠隔操縦段階と、空の利用拡大の各段階に応じた政策課題を洗い出し、対応策を検討すること。2つめに、短期的課題、中長期的課題に分類したロードマップを作成する。

作業班の主任は、電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター の藤井威生教授。6名の構成員のほか、経済産業省、国土交通省の担当者がオブザーバーとして参加する。

電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター の藤井威生教授

作業班の主任を務める電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター の藤井威生教授

地上ネットワークと衛星通信を組み合わせ

第1回会議では、総務省から「電波の上空利用をめぐる近年の動向」について説明が行われた。

空飛ぶクルマやドローンの開発が進み、飛行の長距離、機体が大型化するにつれて地上からの通信だけでなく衛星経由の通信の重要性が増していることを指摘。衛星コンステレーションやHAPSといった新技術も含めて現在は様々な衛星通信システムが存在するが、低高度で利用するには、地上システムとの電波干渉を防ぐための電力束密度(PFD)制限などの課題があるとした。

空の利用拡大に伴い、電波利用需要が顕在化

空の利用拡大に伴い、電波利用需要が顕在化(総務省資料より)

また、地上からの通信システムや航空機に搭載される無線システムの概要と、国際的な検討状況についても紹介。本作業班での議論を通じて将来のニーズや新たな技術シーズを把握し、政策課題をロードマップに落とし込んでいきたいと述べた。

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