ネットワンシステムズとNTT西日本は2025年8月27日、IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)を活用した分散AI・自律ロボティクス基盤構築に向けた実証実験を開始したと発表した。
日本国内では労働人口が減少しており、小売・製造・医療・社会インフラといった現場で、担い手不足による事業継続リスクが高まっている。小売業界では店舗業務の効率化と顧客体験の向上、製造現場ではIoT・AIを活用したリアルタイム制御と予兆保全、医療現場では医療従事者の負担増加や地域医療の格差に対する遠隔医療や院内支援、社会インフラでは建設・保守作業の省人化や遠隔操作などの課題がある。
これらの現場では、センサーやカメラから収集される膨大なデータをAIで即時に解析・判断し、ロボットに連携して行動に移す必要があるが、従来のネットワークでは遅延や容量不足、揺らぎといった課題により、ロボットが正常に動作しないケースも確認されている。
今回の実証では、低遅延・大容量・揺らぎのない通信を実現するIOWN APNと分散クラスタ型AI基盤の統合設計を行い、即応性と拡張性を両立する次世代のオートメーションシステムによるリアルタイムなロボット制御を行うとしている。
具体的には、NTT西日本が運営するIOWN APN実証環境として、大阪・京橋、堂島、福岡の3拠点を接続し、分散データセンターでAI処理を行うシステム構成の実験を実施する。また、このシステム構成上で、模倣学習によるAI基盤でのモデル学習と、IOWN APN経由での自律型協働ロボティクスの実験を行う予定だ。