NTTと安藤ハザマは2025年8月7日、建設現場におけるIOWN技術のユースケースなどを取りまとめたドキュメント「Use Case and Technology Evaluation Criteria-Construction Site」を一般公開したと発表した。
安藤ハザマ 技術研究所 フロンティア研究部 宇宙技術未来創造室 室長 船津貴弘氏
このドキュメントには、主に4つのユースケースが盛り込まれている。
1つめは、遠隔監視だ。IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク) を用いて建設現場の高精細映像やセンサーデータをリアルタイムに収集・AI解析し、点検の効率化や精度向上、危険リスクの早期検知などの実現を目指す。
安藤ハザマ 技術研究所 フロンティア研究部 宇宙技術未来創造室 室長の船津貴弘氏によれば、建設業界では人手不足が深刻化している現在でも、多くの現場で“目視”による点検が行われている。粉塵による視界不良や資材落下による怪我のリスクも伴うため、IOWN APNによる点検業務の自動化・省人化により、こうした課題を解決していきたい考えだ。
ユースケース①: 定常的な監視とデータ収集(遠隔監視)
2つめは、遠隔解析。建設現場では、工事の進捗状況や施工後の形状が設計通りに行われているかを確認するため、「作業員が(掘削作業の最先端部分である)危険な切羽エリアで時間をかけて作業している」と船津氏は説明した。
また、現場の3D点群データなどを解析し、この作業を自動化・省人化する手もあるが、データの解析には時間を要するため、「工事が中断してしまう」おそれがある。今回策定したユースケースでは、IOWN APNを活用し、データ解析にかかる時間を60秒程度に短縮していきたいとした。