NTTは2025年5月21日、「NTTグループ サステナビリティカンファレンス2025」を開催した。
同カンファレンスは、NTTグループ各社が「持続可能な社会」実現に向けた取り組みを披露・共有する場として位置づけられており、今年で12回目の開催となる。今回は、18カ国・地域から過去最多となる169施策・ソリューションがノミネート。うち3つがMVPを獲得した。
1つめは、NTTデータグループが提供する「バッテリートレーサビリティプラットフォーム」である。
これは、電動車向けバッテリーの製造から使用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体に関する情報(バッテリーのカーボンフットプリント情報やリサイクル率など)を可視化し、サプライチェーン全体に共有できるプラットフォームだ。
企業や業界、国境を越えてデータ・システムを連携し、社会課題の解決や産業競争力の強化を目指す「ウラノス・エコシステム」構想の最初のユースケースとして開発されたもので、同プラットフォームで自動車業界のサーキュラー・エコノミー(資源循環型社会)実現を支援できるとした。
バッテリートレーサビリティプラットフォームの概要
2つめは、NTT東日本が主導する「バイオマス発電の排熱を活用した特産品開発」だ。
廃校になった群馬・渋川市の小学校跡地に木質バイオマス発電施設を整備し、地域の森林整備などで発生する未利用材を燃料として活用。そこで生まれた熱エネルギーを菌床きのこ栽培やドライフルーツ製造に利用することで、エネルギーの地産地消による循環型社会の実現を目指している。
NTT東日本が描く「循環型社会」
3つめは、NTT DATA EUROPE & LATAM(スペイン)が開発した「MeetZero」で、ウォータークレジット(水資源への負荷を相殺するために取引されるクレジット)の認証・発行・モニタリングの取引プラットフォームだ。
同社は、仏ヴェオリア社が主導する、スペイン・アンダルシア地方の湿地復元プロジェクトなどに参画し、水資源の改善活動を実施した。その結果、水資源の損失を1306万5000㎥削減し、1万3065CAPs(クレジット単位、1CAPsあたり100ユーロで取引)に相当するウォータークレジットの発行に成功した。