NECは2025年5月21日、映像AI技術を活用して製造工場などでの手指を使った作業の状況(ファクト)を識別・可視化・分析する「NEC Digital Twin ヒト・作業ログ分析ソリューション」を5月より提供開始すると発表した。
同ソリューションは、映像解析で手指の微細な動きを捉えることで、「モジュラージャックを取る」「マイクをはめ込む」「電動ドライバーでネジを締める」など、数十種類の細かな作業を高精度に識別する。これにより、「ネジをたすき掛けで締める」といった細かな人手作業順序を記録することができ、従来把握しづらかった作業手順の保証が可能になるという。作業時間の超過や手順違い、手順漏れといった品質に影響する作業ミスが発生した場合には、リアルタイムにアラートを発報する機能も備える。
品質保証の分析イメージ
また、映像に映る作業者の手の動きのパターンに基づき、作業の開始や終了を特定することでサイクルタイムの計測が自動で可能になる。これにより、サイクル毎の作業時間のバラつきが可視化され、時間のかかり過ぎたサイクルの録画をピンポイントで確認し、生産性改善に向けた作業の問題を発見できるという。手の軌跡も記録されるため、予め撮影しておいた熟練作業者の手の軌跡との比較も可能とのことだ。
生産性向上に向けた分析イメージ
NECは、NECプラットフォームズの現場で同ソリューションの実証実験を行い、実証ラインの生産性を4%程度改善できることを確認したそうだ。自動車や医療機器、計測機器などの製造業の現場にて、先行導入が開始されているという。
販売価格は、150万円~(税別)。今後3年間で200件の販売を目指す。