パロアルトネットワークスは2025年4月30日、AIを活用したセキュリティ運用プラットフォーム「Cortex XSIAM 3.0」と、SASEネイティブのエンタープライズブラウザの新バージョンとなる「Prisma Access Browser 2.0」を発表した。
Cortex XSIAM 3.0では、脆弱性の可視化とリスク評価、自動修復を担う「Cortex Exposure Management」と、高度化するメール攻撃に対抗する「Cortex Advanced Email Security」が中核機能として追加された。特にCortex Exposure Managementは、外部ソースを含むすべてのエクスポージャー(露出領域)をAIで可視化・優先順位付けし、ノイズを最大99%削減するという。また、プレイブックによる自動修復により、攻撃前のプロアクティブな防御を実現するという。
Cortex Advanced Email Securityでは、LLM(大規模言語モデル)を活用して生成AIによる巧妙なメール攻撃を検出し、リアルタイムでの無害化やエンドポイント隔離、アカウント無効化といった対応を自動化。メール自体に加えID・クラウド・エンドポイントなどの情報を相関分析し、攻撃の全体像を明らかにすることで、SOC(セキュリティオペレーションセンター)による一貫した対応も可能にしたとしている。
一方、同社のSASE戦略の一環として位置付けられるPrisma Access Browser 2.0では、セキュリティ機能とユーザー体験の両立を図っている。この新バージョンでは、生成AIの安全利用を前提としたリアルタイムDLP(データ漏洩防止)に加え、SaaS型フィッシングやAI生成のクローキングなど新手のWeb攻撃をAIで検出・防御するという。さらに、再設計されたユーザーエクスペリエンスにより、生産性の最大化も狙う。
Prisma Access Browserは、Prisma SASEと統合することで、ネットワークからブラウザに至るまで一貫したセキュリティを提供。加えて今回、エンドポイントDLP、アプリケーション高速化、次世代SASEエージェント、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)との連携といった機能も拡充された。