ZigBeeフォーラムが開催「ZigBeeはスマートコミュニティ実現のカギ」

スマートコミュニティ実現のキーテクノロジーとして注目を集めるZigBeeのイベント「ZigBeeフォーラム」が3月13日に開催。ZigBeeの最新技術や先進事例などが紹介された。

スマートコミュニティ実現への期待が高まるなか、2012年3月13日、東京都内で「ZigBeeフォーラム」が開催された(主催:リックテレコム、協賛:ZigBee SIGジャパン)。ZigBeeはご存知の通り、低消費電力を特徴とした近距離無線技術。スマートコミュニティを実現していくうえでの重要技術の1つだ。今回のZigBeeフォーラムでは「スマートコミュニティ社会への貢献」をテーマに多数の講演が行われた。

会場は「大井町きゅりあん 大ホール」(東京都品川区)。ご覧の通り、数多くの人が来場した

ZigBee SIGジャパン理事長の齋藤和正氏の挨拶に続いて基調講演を行ったのは、ZigBeeアライアンスのアジアパシフィックのディレクターで、中国代表も務めるジェリー・ハン氏だ。同氏は「ZigBeeは、Internet of Things(モノのインターネット)のキーイネーブラーになる」とし、ZigBeeの活用事例などについて語った。

ZigBeeアライアンスのジェリー・ハン氏
ZigBeeアライアンスのジェリー・ハン氏

ハン氏が紹介した事例の1つは、スウェーデン第2の都市であるイエテボリ市のケースだ。人口50万の同市では、ZigBeeメッシュネットワークを活用して、26万のスマートメーターを展開。遠隔からの自動検針やアラーム検知、街路灯の制御などを実施しているという。

スウェーデンのイエテボリ市ではZigBeeを使って大規模にスマートメーターを展開
スウェーデンのイエテボリ市ではZigBeeを使って大規模にスマートメーターを展開

中国におけるZigBeeのパイロットプロジェクトも3つ紹介された。太湖では環境モニタリングに、上海浦東国際空港では侵入防御システムに、高速鉄道では風速/振動/侵入などのモニタリングにZigBeeを利用しているという。巨大市場・中国でもZigBeeによるスマートコミュニティ実現に向けた取り組みは着実に進んでいるようだ。

太湖全域で実施されているZigBeeによる環境モニタリングのパイロットプロジェクト

このほかZigBeeフォーラムでは、アルファシステムズの原誠一郎氏、アドソル日進の伊藤綾夏氏、NECエンジニアリングの村田智三氏、Freescale Semiconductor Japanの喜須海統雄氏、ルネサスエレクトロニクスの福岡淳氏、Digi Internationalの江川将峰氏、東京コスモス電機の奥村成吾氏、TUVラインランドジャパンの水城官和氏、ZigBee SIGジャパンの福永茂氏、沖電気工業の橋爪洋氏による講演が行われた。

アルファシステムズの原氏の講演では、HEMS市場でZigBeeが採用されている理由や、IP(Internet Protocol)ベースのスマートエナジー向けの仕様であるSEP2.0などを解説。また、ZigBee SIGジャパンの福永氏は、今年7月から本格利用が可能になる920MHz帯ZigBeeのメリットなどについて説明した。

さらに講演だけではなく、会場には展示コーナーも用意。出展各社が展示するZigBeeソリューションに人だかりができていた。

ZigBeeの最新ソリューションの展示も行われた

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