2024年の国内ビジネスコンサルティング市場は、前年比10.6％増の2桁成長になる見込みであることを、IDC Japanが2024年12月16日に発表した。

IDCによると、国内ビジネスコンサルティング市場は、2023年に支出額ベースで12.6％増の7240億円だった。デジタルビジネス化を図る大企業による既存のビジネスプロセスやオペレーションのモダナイゼーションの需要が拡大し続けていることに加え、新規ビジネスやイノベーションに向けたビジネスコンサルティングの活用が両輪で拡大していることが背景にある。2024年以降も、引き続きデジタルビジネス化に向けた需要が旺盛で、高成長が継続するという。

既存ビジネスのモダナイゼーションに向けた業務変革支援、AIユースケースの発展とAI活用支援が成長を牽引するほか、サービス単価の上昇も支出額の成長にはプラスに影響し、2023年～2028年の年間平均成長率（CAGR）は10.1％、2028年の市場規模は1兆1714億円に達するとIDCは予測している。

ただし、課題もあるという。1つは、市場成長の慢性的な抑制要因となっているデリバリー人材の不足が解消されていないこと。また、コンサルティング案件の大型化と実装支援との融合が進むなか、後続フェーズでの問題発生が市場成長の阻害要因となるケースも増加傾向にあるとのことだ。

IDC Japan Software & Services シニアリサーチマネージャーの植村卓弥氏は次のようにコメントしている。「AIユースケースの発展は、最適な実装に向けたビジネスコンサルティングの需要を活性化させる。ビジネスコンサルティング事業者は、企業全体のデジタルビジネス化や産業／社会の変革を支援するための、大規模な実装に並走するスケーラブルなコンサルティング能力の強化を進める必要がある」

国内ビジネスコンサルティングサービス市場　支出額予測