インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は2024年9月30日、公共機関専用のモバイルサービス「IIJ公共安全モバイルサービス」の機能を拡充し、同一契約のデータ通信容量を組織内の回線で共有し効率的に利用できる「組織パケットシェア」機能を本年11月1日より提供開始すると発表した。
IIJ公共安全モバイルサービスは、政府が推進する「公共安全モバイルシステム(旧:公共安全LTE(PS-LTE))」に対応し、災害時に消防や警察などの公共機関が現場情報を迅速かつ確実に共有することを目的とした公共機関専用のモバイルサービス。公共機関向けの専用設備で提供し、災害時優先電話にも対応しているため、災害発生時において、一般ユーザーによる設備混雑の影響を抑えて音声通話とデータ通信サービスを円滑に利用できる。
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また、単一の回線契約でNTTドコモ回線とKDDI回線の2回線を使用できるマルチキャリア対応により、携帯キャリア網の輻輳や障害が発生した場合でも、もう一方のキャリアに切り替えることで確実な通信が可能だ。
IIJ公共安全モバイルサービスは2024年4月1日のサービス提供開始以来、中央省庁や全国の自治体、消防組合などに採用されている。
災害対応する公共機関では、平常時と災害対応時での利用データ通信容量の変動が大きいため、回線ごとの契約容量の選択が難しく予算管理も複雑化するという課題がある。こういった顧客の要望に応え、今回新たに、契約容量を同一契約内の回線全体でシェアする「組織パケットシェア」機能を提供する。本機能を導入することで回線数、キャリアの種別に関係なく、契約全体でデータ通信容量を無駄なく効率的に利用できるようになるほか、契約容量の管理および予算管理が容易になるとしている。
組織パケットシェアの基本料金は、1ユーザーあたり1210円。データ通信量は1GBあたり月額242円。