モースマイクロは2024年9月13日、900MHz帯を使ったWi-Fi HaLowを利用して16kmに及ぶ長距離ビデオ通信テストに成功したと発表した。米カリフォルニア州南部にあるジョシュアツリー国立公園においてテストを実施したもので、本テストの模様を収録した動画は、YouTubeで閲覧できる。
本テストの模様を収録した動画はYouTubeで公開されている
テストは、Mouser公式サイトで販売している「MM6108-EKH01評価キット」を谷の端に設置して行った。標準的な1dBi低利得ダイポール・アンテナを通して21dBm(125mW)を出力し、総放射電力は22dBmとなる。標準的な機器を使用してWi-Fi HaLowの最大到達範囲での接続性をテストすることを目的として、高利得の指向性アンテナや極端に高い出力は使用しなかった。
IEEE 802.11ah規格で規定されている最大信号到達時間を考慮して、理論上の最大到達範囲を計算したところ、理論上の最大通信距離は15.9kmとなった。
ジョシュアツリー国立公園の現場でのパフォーマンスは、15.9kmで2MbpsのUDPスループットを達成。ボディーカメラ用のピアツーピア通信、アウトドア・アドベンチャー用のトランシーバー、農業や採掘用のIoTソリューションなど、通信距離と信頼性の両方が必要不可欠なシナリオを想定できるとしている。