古河電工は2024年7月24日、データセンター(DC)向け放熱・冷却製品(以下、ヒートシンク)の開発拠点である平塚工場と主力生産拠点であるフィリピン工場(FURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS & PRODUCTS LAGUNA, INC.、以下、FTL)と同じLaguna工場団地内に、DC向け水冷モジュールの製造工場を新設すると発表した。2026年度の水冷方式の量産開始を目指す。
FTL新工場(建設中)
近年は生成AI市場の著しい成長を背景に、DCの高発熱化に対応する高性能なヒートシンクへの要求が高まっている。従来は、ヒートシンクにファンで風を送って放熱する空冷方式が主流だったが、今後は流路を設けたコールドプレートを素子面に搭載して水などの液体を循環させて熱を回収する水冷方式の適用割合が増加すると見られている。
同社はDC向け水冷モジュールの製造工場の新設により、国内拠点における設計開発力の強化とともに、BCPを踏まえた多拠点による製造体制の整備を図り、生成AIの普及を支えるDCの進化に貢献していくとしている。水冷モジュールの売上は、2026年度60億円、2027年度250億円を計画している。
なおFTLでは、使用する全ての電力が再生可能エネルギー由来の電力で、新設する製造工場についてもスコープ1・2の温室効果ガス排出量はゼロとなるという。また、平塚工場で使用する全ての電力についても、再生可能エネルギー由来の電力を導入し、スコープ2の温室効果ガス排出量はゼロになるとのことだ。