ワイヤレスジャパン×WTP 2024のアンリツブースでは、9種類のワイヤレステストソリューションを展示している。Wi-Fi 7やローカル5Gといった新たな無線システムの普及が始まるなか、その性能評価、品質保証を実現する新機能・製品が紹介されている。
まず目を引くのが、Wi-Fi 7(IEEE802.11be)対応無線LAN機器の性能評価ソリューションだ。Wi-Fi 7は6GHz帯のサポートや、最大チャネル帯域幅の拡張(320MHz幅)など新技術に対応した規格である。
アンリツの無線LAN専用テスタ「MT8862A」
このWi-Fi 7規格に準じた送信・受信特性を評価するため、アンリツは無線LAN専用テスタ「MT8862A」の新機能をリリースした。オプションを追加することで、6GHz帯・320MHz幅に対応したテストが行える。
「ローカル5Gの上り通信高速化」ニーズを後押し
ローカル5Gに特有のニーズに応えるテストソリューションもある。「5G/ローカル5G UL/DL干渉波測定」だ。
TDD方式を使用するローカル5Gでは、準同期方式を使ってアップリンク(UL:上り方向の通信)のスロットを増やして、高精細映像を伝送する際のスループットを高めたいというニーズがある。だが、ULとダウンリンク(DL)の信号に干渉が発生すると通信品質が低下する。この干渉の原因は様々だ。
アンリツの高性能スペクトラムアナライザ「フィールドマスタ プロ MS2090A」には5G NR測定機能が搭載されており、その5G解析モード「UL/DL Interference」機能を用いることで、UL/DLの各スロットを分析することが可能だ。サブフレームの電力測定など、干渉の原因を特定するのに便利な機能を備える。
高性能スペクトラムアナライザ「フィールドマスタ プロ MS2090A」
通信事業者が使用する5Gとローカル5Gの準同期方式ではフレーム構成が異なるが、UL/DL Interference機能では任意にフレーム構成を変更できるため、準同期方式の測定にも柔軟に対応できる。
このほか、アンリツブースでは今後の進展が期待されるNTN(非地上系ネットワーク)に関するテストソリューションも紹介されていた。「NTN HAPS RFスペクトラム モニタリング」だ。
HAPS(成層圏通信プラットフォーム)は既存の無線システムと周波数を共用するため、干渉による通信トラブルが発生する可能性がある。その干渉の要因を分析するには、最大54GHzまでの周波数をカバーするリモートスペクトラムモニタを使ったモニタリングが役立つという。