企業向け「Android au」の実力やいかに? ~ 法人スマートフォン市場でも巻き返すKDDI

スマートフォンでの出遅れを取り戻す――。法人市場でもそのための準備を急ぐKDDI。導入の障害となるセキュリティ対策と管理負荷の課題を解消するための取り組みを着々と進めている。

1月末に、Androidスマートフォン向けのセキュリティサービスを拡充すると発表したKDDI。ソリューション商品企画本部・モバイル商品企画部・商品企画2グループリーダー・担当部長の渡邉真太郎氏は、「反響が非常に大きい。法人のお客様がいかにAndroidに注目されているかを改めて実感した」と話す。

スマートフォン導入の最大の課題がセキュリティ対策だ。スマートフォンはよく「携帯とPCのいいとこどり」という例えがなされるが、リスクも“両取り”になる。その豊富な機能と自由度の高さにより、紛失・盗難時の危険も増し、マルウェア感染や不正利用、業務外利用等々、PCと同様のリスクを内包する(図表1)。

図表1 スマートフォンにおけるリスク [クリックで拡大]
図表1 スマートフォンにおけるリスク

セキュリティ対策を次々スタート

そして企業は、さらに深い悩みも抱える。セキュリティ対策は重要だが、やり過ぎれば、スマートフォンの長所も損ねてしまう。大事なのは言うまでもなく、「自由」と「管理」のバランスだ。その実現方法に多くの企業が今、頭を悩ませている。

こうした状況に対しKDDIは、昨年12月から「リモートデータ削除 for IS Series」を、この2月から「リモートロック for IS Series」の試験提供を始めた。さらに6月には、「ビジネス便利パック for Android」の提供を開始する。前述の紛失・盗難対策に加え、図表2の通り、効率的に端末と内部のアプリを管理するための複数の機能をパッケージ化して提供するものだ。

図表2 「ビジネス便利パック for Android」の提供機能
図表2 「ビジネス便利パック for Android」の提供機能

サービスの発表時、KDDIはこれを「最低限の対策」として、提供開始後も順次機能の充実に注力するとした。ただし、フィーチャーフォンでこれまで実現していたセキュリティ対策ソリューションをいち早くスマートフォンへと広げた意義は大きい。先行するiPhoneにしても、法人導入が勢いづいたのは、リモートワイプをはじめ、リスク対策に通信事業者が一定の対策を打ち出したからである。

月刊テレコミュニケーション2011年3月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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