ICT総研は2025年6月18日、山手線内の5G通信速度に関する調査結果を発表した。測定地点は、JR山手線の全30駅のホームと、それぞれの駅間をあわせた全60地点。調査日は6月10日~11日で、朝夕のラッシュ時間帯を避けた閑散時間帯で調査した。
これによると、全60地点の下り通信速度は、auが平均168.6Mbpsでトップ。NTTドコモ (164.2Mbps)、ソフトバンク (157.7Mbps)が続いた。auとソフトバンクは、前回調査(2023年7月)においても平均150Mbps前後の下り速度を記録したが、今回の調査ではさらに速度を伸ばした。NTTドコモは前回調査では下り速度66.4Mbpsに留まったが、今回一気に100Mbps程度高速化した。楽天モバイルは前回調査で下り速度33.0Mbpsであったが、今回はやや速度が落ち込む結果となった。
一方、全60地点の上り通信速度は、ソフトバンクが平均45.7Mbpsでトップ。au(40.2Mbps)が続いた。上り通信速度が下り通信速度に比べて遅い傾向は、前回までと変わっていない。
山手線 全60地点の通信速度
また、下り通信速度の4社平均は127.0Mbpsであり、前回調査の100.7Mbpsを大きく上回った。2019年12月調査(29.8Mbps)と比較すると、通信速度は4倍以上高速化している。
山手線 全駅+駅間の下り通信速度の推移(4社平均)
全60地点の5G受信地点比率は、4社平均で94.2%。前回調査では77.5%であり、大きくポイントを伸ばした。auとソフトバンクは、5G受信地点比率が前回同様100%。調査対象とした60地点すべてで5Gの電波を受信した。NTTドコモは98.3%(前回51.7%)、楽天モバイルは78.3%(前回58.3%)と、ともに5G受信地点比率を大きく増やした。
山手線 全60地点の5G受信地点比率
また、下り通信速度の最速地点は目黒駅ホームで、4社平均下り速度は391.5Mbpsだった。田町駅ホーム(382.8Mbps)、鶯谷駅ホーム(375.4Mbps)、五反田駅ホーム(329.0Mbps)の4駅が、4社平均で300Mbpsを超えた。一方で、4社平均の下り速度が最も遅かったのは、品川~大崎間であり、3.4Mbpsに留まった。
なお、駅ホームの4社平均が下り206.5Mbpsであるのに対し、駅間は47.4Mbpだった。駅間と比べて駅ホームの速度が速い傾向は変わらないが、前回調査で駅間は下り61.1Mbpsであり、今回の駅間の速度が前回よりも遅い結果となった。