SPECIAL TOPICインテルが語る仮想化の次のステップ「vRANからその先のデータセンター変革へ」

10年以上にわたり、世界の通信事業者とともに仮想化を進めてきたインテル。「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク」で、同社クラウド・通信事業統括部長の堀田賢人氏は、仮想化や消費電力削減などモバイルの最新動向、さらにはデータセンターの将来像について解説した。

5月24日に開催された「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク」の基調講演に、インテル株式会社 インダストリー事業本部 クラウド・通信事業統括部 統括部長の堀田賢人氏が登壇。「モバイルネットワークの仮想化の進捗およびインテルが考える仮想化の次のステップ」をテーマに講演した。

インテル インダストリー事業本部 クラウド・通信事業統括部 統括部長 堀田賢人氏

インテル株式会社 インダストリー事業本部 クラウド・通信事業統括部 統括部長 堀田賢人氏

インテルは2012年以降、10年以上にわたってモバイルネットワークの仮想化を推進している。同社はもともと半導体メーカーだが、「シリコンそのものを作るのではなく、仮想化に必要なソフトウェアの開発やエコシステムを広げることに注力してきた」と堀田氏は振り返った。

2012年以降、仮想化を推進してきた

2012年以降、仮想化を推進してきた

5G時代を迎えて仮想化はモバイルネットワークにおけるトレンドとなっている。なかでもコアネットワークは「新規の90%以上が仮想化を前提としている」(堀田氏)というように、“デファクト”となりつつある。

そうしたなか、インテルは今年2月に開催された「MWC Barcelona 2023」で、5Gコアに関連した2つの発表を行った。

その1つが、消費電力削減に関するものだ。サーバーに搭載されているCPUは、特に通信事業者の環境では、アプリが動作していないときもフル稼働している場合が多い。これは大量のトラフィック発生など予期しない事態が起きた際、即座に対応可能にすることが目的だが、それだけ消費電力も大きい。最近はサステナビリティやエコの観点から、いかに電力を削減するかが求められている。

こうした状況を受けてインテルが提供開始したのが、仮想化されたコアネットワークの電力効率を改善するソフトウェア「Intel® Infrastructure Power Manager(以下、IPM)」だ。

IPMは、ミリ秒単位でトラフィックをモニタリングし、トラフィックの増減に合わせてクロック周波数を可変することで効率的な電力消費を可能にするソフトウェアだ。MWCでは、実際の通信事業者のトラフィックを使ったデモが行われ、5GコアにIPMを適用することにより、24時間で消費電力を平均30%削減できることが示されたという。

24時間で消費電力を平均30%削減

24時間で消費電力を平均30%削減

「5Gから次の5G Advancedに向けてコアネットワークが拡張していく中で、消費電力の削減が至上命題となっている。IPMを使えば、CPUだけで消費電力を削減することができる」と堀田氏は強調した。

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