NRIネットコミュニケーションズ(以下、NRIネットコム)は2010年10月19日、iPadを資料閲覧・操作用の端末として利用する会議システムの提供を11月1日から開始すると発表した。
NRIネットコミュニケーションズ常務取締役・Webネット事業本部本部長の野村隆志氏。「誰もが認めるiPadの綺麗な画面を使って、簡単な操作性で会議資料が見られる」とアピールした |
このシステムは、会議室等に参加者が集まって行う会議や、テレビ会議・音声会議システムなどを使う遠隔会議において、通常はスクリーンやディスプレイに投影したり、印刷物を配布したりする資料を、参加者の手元のiPadに表示するというもの。参加者が各々のiPadで仮想会議室にログインすると、サーバーにアップロードされていた資料が表示され、議長の議事進行、つまり議長のiPad操作に沿って、参加者のiPadにも同じページが表示される。また、各参加者が自由にページを移動する――前のページに戻りたい、先を見たいなど――ことも可能だ。
本システムの発表会では、参加者にiPadを配付し、実際に野村氏の進行に沿って資料を表示しながら説明が行われた | ページめくりや拡大縮小の操作が直感的に行えるため、PCに比べて簡単に使える。ノートPCに比べて移動しやすいのも利点だ |
iPad特有のタッチ操作、ピンチ操作で軽快に操作し、細かな文字も鮮明に見れるのが特徴。常務取締役・Webネット事業本部本部長の野村隆志氏は、「年齢層の高い方の多い会議などでも、簡単に文字を大きくして見てもらうことができる」と例をあげ、役員クラスが参加する経営会議などでもペーパーレス会議が容易に実現できる点を強調した。
このほか、印刷などの準備作業の手間が軽減でき、資料データはiPad側には残らないため、資料紛失・情報漏えいの機会が無くなる点も効果に挙げられる。また、大人数が集まる会議ではディスプレイやスクリーンに資料を映す場面で見えにくい席が生じるが、手元の端末に表示することで資料を鮮明に閲覧できる。ネットワーク経由で資料を共有できるため、前述のように音声会議システムなどと併用して、場所を問わずに会議が行えるのも利点という。
本システムは、iPad端末とサーバーシステム、およびiPadにインストールするアプリで構成される。サーバーシステムの導入形態は、NRIネットコム指定のクラウドサーバー上に環境を構築する「タイプA」、ユーザー企業内に専用サーバーを設置する「タイプB」、専用サーバーをおかずノートPC内のデータを共有する「タイプC」の3種類を用意した。タイプAの場合は、運用管理もNRIネットコムが行う。
各タイプの構成図(左および中央)と、導入費用の一覧(クリックして拡大) |
導入費用は、iPad端末が20台の場合で、タイプAが40万円から、タイプBおよびCが140万円から(サーバー機器、サーバーインストール、導入時説明を含む)。iPad自体の価格が20台で約110万円とすれば、導入時の総コストはタイプAが約150万円、タイプBおよびCが250万円ほどとなる。なお、タイプAの場合は別途、月額5万円のサーバー利用料金がかかる(会議室20室/HDD 5GB)。
なお、現時点では利用できる資料データはPDFファイルのみ。今後、WordやExcelファイルや、動画コンテンツなどの活用にも対応していく予定という。