シスコシステムズは2010年9月28日、データセンター向けの新製品を発表した。
同社は従来、仮想化データセンター向けアーキテクチャとして、データアクセス/ストレージアクセス等のネットワークを集約する「シスコ ユニファイド ファブリック」、サーバー/ネットワーク/ストレージおよび仮想化のリソースを統合する「シスコ ユニファイド コンピューティング」を提唱。これを体現する製品としてデータセンタースイッチ「Cisco Nexus」シリーズと、サーバー製品「Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)」シリーズを販売している。
今回の発表では、この2つの製品ラインナップを強化。また、それに加えて、従来アプライアンスで提供してきたセキュリティゲートウェイ、WAN高速化の機能を、仮想化データセンター向けにソフトウェアとして提供する「Cisco Virtual Security Gateway(Cisco VSG)」、「Cisco virtual Wide Area Application Services(Cisco vWAAS)」の2つを発表した。
「Cisco Nexus」シリーズについては、従来機種「Nexus 5000シリーズ」の機能強化版である「Cisco Nexus 5500」を投入する。ポート密度を2倍に高めた、48ポート搭載1ラックユニットのスイッチ「Cisco Nexus 5548」を9月末から販売開始。イーサネット、ファイバーチャネルを単一のプラットフォームに集約できる「ユニファイドポート」を装備するほか、新たにL3機能もサポートする。また、Nexus 5000/7000シリーズと併用・接続可能な「Cisco Nexus Fabric Extender 2224TP」も発売する。
「Cisco Nexus 5548」の製品外観 |
「Cisco UCS」シリーズには、新型のブレードサーバー「Cisco UCS B230」を追加した。コンパクトなハーフシャーシの製品ながら、ハイパフォーマンスを実現したのが特徴で、Intel Xeon 6500/7500プロセッサが搭載可能。10月末から販売開始する。
「Cisco UCS B230」の製品外観 |
まったく新しいソフトウェア製品である「Cisco VSG」「Cisco vWAAS」は、仮想スイッチ「Cisco Nexus 1000V」上で動作する。ともに2010年11月から販売開始予定で、同時に、この2製品に対応したCisco Nexus 1000Vの新バージョン(リリース v1.4)も提供される。
Cisco VSGは、仮想マシンレベルでのセキュリティポリシー管理を可能にするもの。データセンターのVLANや共有インフラストラクチャの内部、およびそれらの間で増減し移動する仮想マシンの状況に応じてた、きめ細かいポリシーベースのコントロールや活動の監視が行えるという。Cisco vWAASは、クラウド対応のWAN最適化ソリューションで、VMware、Cisco UCSのほか、x86ベースのサーバー上で動作する。
従来、物理アプライアンスで提供していたファイアウォール、WAN最適化などの機能をソフトウェアとして導入し、クラウド環境への最適化を図った(クリックして拡大) |