企業ネットワーク最前線

NW視点で見る3大クラウドの違い サウザンドアイズに聞くクラウド選びのポイント

文◎坪田弘樹(編集部) 2020.03.27

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サウザンドアイズ・ジャパン 代表の
尾方一成氏(左)とシステムエンジニアの
ジャック・マーティン氏

世界中に散らばる“監視の眼”を駆使して、刻々と変化するインターネットの状況を可視化しているサウザンドアイズ。同社に、“ネットワークの視点から”クラウドサービスを選択する際のポイントを尋ねた。

「中国ならAlibaba」は早計Cloud Performance Benchmarkには他にも興味深いデータがある。

インターネット依存型であるAWSには有料のオプションサービスとして、AzureやGCPのようにAWSバックボーンネットワークを優先的に使える「AWS Global Accelerator」がある。インターネットを経由する通常のアクセス方法を一般道路とすれば、こちらは有料道路を通るイメージだ。

ただし、これも万能ではない。実際に世界各地で通信品質を測定した結果、「ロケーションによって、インターネット経由よりも遅延が大きい場合があった」(マーティン氏)。Global Acceleratorは通信量に応じた従量課金のため、利用する場合は、本当にパフォーマンスが改善されるのかを事前検証する必要があろう。

グレート・ファイアウォールと呼ばれるインターネット検閲システムが存在する中国に関するデータもある。

サウザンドアイズは中国でも約20カ所にエージェントを配置している。同国内から国外へのアクセスを調べた結果、全事業者で大幅なパケットロスが発生していた。これは、中国のAlibabaも例外ではない。

2018年と2019年の比較からわかったこともある。AzureとGCPはバックボーンネットワークの拡充に力を入れており、全体的なパフォーマンス向上につながっている。一方、先に例を示したようにAWSもルート最適化によって特にアジアで品質改善が見られた。

2019年に新たに調査対象としたAlibabaとIBMも「パフォーマンスは良好だ」(マーティン氏)。ただし、「Alibabaはリージョン間の接続にインターネットを使っているので、利用するリージョンの間で経由するISPが信頼できる事業者であるかを検証したほうがよい」という。

SD-WANも事前事後の検証をクラウドサービスに限らず「SD-WANを使い始める場合にも検証は必要」と尾方氏は話す。

拠点間ネットワークをMPLSベースのIP-VPNから、インターネット回線を足回りとするSD-WANに移行したり、拠点から直接インターネット/クラウドに接続するローカルブレイクアウトを採用するケースが増えてきているが、肝心のインターネットの品質が悪ければ通信障害や品質劣化に悩まされることにもなりかねない。「いきなり切り替えるのではなく事前に、サウザンドアイズの監視エージェントを拠点に置いてシミュレーションすることで、必要なパフォーマンスが得られるかが判断できるうえ、切り替え前後の比較も可能になる」(尾方氏)。

クラウドとインターネットはすでに企業にとって不可欠なものになった。これまでは、“ベストエフォートだから”と多少の品質劣化には目をつぶることもあり得たが、今後は自社ネットワークと同等レベルに可視性を担保することが重要になる。“ネットワーク視点”でクラウドを使い分けることで、その性能を最大限に引き出すことができるだろう。

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