我々はIIJ“LOVE”だ――アドバンテックとIIJがIIoTで協業

IIJと産業用PCで世界一のシェアを誇るアドバンテックが産業用IoT(IIoT)で協業する。お互いに足りないものを補い、エッジからネットワーク、クラウド、アプリまで一貫で提供できるトータルソリューション「WISE-PaaS JP」を2020年1月から発売予定だ。

製造業に下から上までワンストップで岡田氏はWISE-PaaS JPについて「ポイントは3つだ」と説明した。1つは先述したように、エッジからアプリまでフルにカバーできること。「基本的にアプリはここ、回線はここ、と個別に選ぶのは大変。アドバンテックと裏側の我々で一通り提供できる。アドバンテックはどの業務でどのハードを使えばいいかのアドバイスも可能だ」

2つめはセキュリティだ。「工場でIoTをやりたいというときに、お客様から『セキュリティは担保できるの』と相談されることが多かった」(ヤン氏)。WISE-PaaS JPでは、工場の生産設備からクラウド基盤までは基本的に閉域網で接続される。また、LoRaからLTE/LTE-M、WAN/VPNと複数種のネットワークをセキュアに繋げる。

閉域網でセキュアに繋げる

3つめはオープン&マルチなソリューションであること。「PaaSは基本的にオープンソースで構成されている。また、(AzureやAWSなどの)マルチなクラウドをIIJがサポートしている」(岡田氏)。さらに、「シーケンサやPLCなども複数のメーカーに対応している。ネットワークもマルチキャリアで選べ、冗長構成が可能だ」と強調した。

業界特化のパートナーからWISE-PaaS JPはどのように利用可能になるのか。岡田氏は「各製造機械、またはそれに据え付けられたセンサーは有線/無線で産業用PCに繋がる。産業用PCにはSIMが組み込まれており、GWの役割を果たす。ここからは基本的にモバイルかつ、閉域網でクラウドまで繋がる」と解説。また、「SIMもカード型だけではなくチップ型、あるいはソフト型のSIMが利用できる。今後はeSIMも提供する」(立久井氏)。

PaaSにアプリケーション開発画面など、拡張機能を作りこみたいユーザー向けに
SRP(Solution Ready Package)も提供するという

WISE-PaaS JPは、アドバンテックの日本法人から販売する。直販も行うが、基本的にはパートナーから提供されるという。アドバンテックは物流、運輸、交通、エネルギーなど様々な業界に特化したSI企業を「Domain-Focused SI(DFSI)」という名称でパートナー認定しており、「DFSIが間に入ることで、より専門的な技術・ノウハウで価値をユーザーに届けられる」と岡田氏は強調した。

エンドユーザーへの直販も行うが、アドバンテックのパートナーから
提供されるケースが多そうだ

アドバンテックはIIJ “Love”だ
記者との質疑応答の中では、今回の協業について、どの程度一体となって協業していくのかという質問があった。それについてヤン氏は「Azureとも協力していたが、コミュニケーションやネットワーキングに強みを持つところと手を組みたかった。さらにマルチキャリア、マルチクラウドをやっているのはIIJしかいないと思った。かなり排他的かもしれない。ワンストップでコンプリートパッケージをやりたいと考えたとき、アドバンテックはIIJ Loveだ」と話し、日本において密に協力していくことをアピールした。

最後に、今後の目標についてアドバンテック IIoTグループの古澤隆秋氏は「パートナーを2020年までに200社作りたいと思っている」と説明した。

(左から)アドバンテック IIoTグループの古澤隆秋氏、CTOのアラン・ヤン氏
IIJ 常務執行役員の立久井正和氏、IIJ IoTビジネス事業部長の岡田晋介氏

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