「人とモノに膨大な“接点”が生まれる。これにより、ありとあらゆる分野で世界を変えるようなサービスが出てくる」
「NEC Smart Connectivity」に関する記者発表会の冒頭、デジタルサービスソリューション事業部長の佐藤崇氏はIoTの進展による社会の変化について、そう展望した。人とモノをつなぐ接点を作り、データの流通を支えるネットワークが、これまで以上に大きな役割を担うことになると同氏は強調した。
IoT関連事業を加速するため、新ブランド「NEC Smart Connectivity」を立ち上げた
NEC Smart Connectivityとは、このネットワークを構築・運用するための技術やノウハウ、IoTソリューションに関する知見・実績といった強みを活かして、新たなサービス事業を加速させるために立ち上げた新ブランドだという。長年にわたり通信キャリアのネットワークを手がけてきた実績をベースに、ネットワーク関連技術やソリューションを自治体・公共・エンタープライズ等の分野にも展開。2021年までに、関連事業も含めて売上高1000億円を目指すという。
NEC デジタルサービスソリューション事業部長の佐藤崇氏
事業の主軸は、IoT無線ネットワークの構築・提供、運用サービスだ。
佐藤氏によれば、NECがこれまで手がけたIoT案件、実証実験から「これからのネットワークに求められる要件」は次の3つのキーワードに集約されるという。「カスタムメイドのネットワーク」「簡単に使える様々なネットワーク」「もっと簡単にデータを活用」だ。
「ネットワークへの要件は多様化、複雑化している」と佐藤氏は話した
接続するデバイスの数と流れるデータ量が爆発的に増加することで、ネットワークに求められる要件は多様化し、複雑化する。これに対応するため、カスタマイズ性が高く、かつ簡単に扱えるネットワークをサービス型で提供するという。また、膨大なデータを効率よく、かつ安全に活用できるようにするため、「必要なデータを必要なモノ・人に、必要な形で届けることで我々の価値を出していきたい」とも佐藤氏は述べた。AIや生体認証、データ連携等の技術を活用して、データ流通基盤も提供する。
無線ネットワークは、LTEやLPWA、そして5Gといった多種多様な通信手段を組み合わせて「マルチコネクティビティ」サービスを提供する。ユーザーの目的や用途、使用環境に応じた最適な通信技術が利用できるようになるという。LPWAについては、ELTRESやLoRa、ZETAといった複数の通信規格を適材適所に活用する。