バズワードとはもう言わせない!「IoTプロジェクト」が動き始めた

2016年に入り、多くの企業でIoTプロジェクトが進行中だ。企業はどのようにIoTを活用しているのか。導入手段の1つであるIoTプラットフォームと、それを利用した事例を中心に動向を見ていこう。

リアルタイムで稼働監視このようにIoTシステムの開発ハードルは低くなっているが、ユーザー企業の悩みが消えたわけではない。

IoTビジネスの関係者は次のように口を揃える。「IoTでは素晴らしいビジネスが実現できそうだが、何を実現すればいいかが分からないことが一番の課題」

そのヒントとなるのは、やはり事例だ。IoTで効果を出しているケースがいくつも出てきている。

まず国内の事例を紹介していこう。帯広にある十勝バスは、SORACOM AirのIoT向けのデータ通信SIM「Air SIM」とスマホ用の運行アプリを連携させたサービスを提供している。全てのバスにAir SIMを取り付けてバスの位置情報をリアルタイムでクラウドに上げ、その情報に基づいた運行情報をアプリに配信する。

バスの時刻表はあるが、交通状況によってはバスが時刻通りに停留所に到着できないときもある。実際の運行状況を知ることができるこのサービスにより、時刻表通りに来なかったバスをバス停で待っている乗客はやきもきすることがなくなるなど、利便性が向上したという。

福島県会津地方の除雪車もAir SIMを搭載している。除雪車の位置情報を取得することで、稼働状況を把握・記録している。

除雪車を動かすにはコストがかかるが、暖冬であればそれを抑えられるはずだ。しかし、なぜか暖冬でも予算が例年通り使われているような場合がある。そういった時に稼働状況を見返せば、実績をもとに妥当かどうかを判断することが可能だ。

あるいは、住民から家の前が除雪されていないとクレームが寄せられても、稼働実績をもとに、「4時間前に除雪車が走っているので雪が多いだけです」などといった対応もできる。

また、ゼネテックのSurve-iは、ビルのエネルギー管理(BEMS)用途で、BEMSのコンサルティング会社に利用されている。クライアントが入居するビルに設置された電力計測装置からデータを収集し、電力の消費状況を可視化・分析したり、それが一定の閾値を超えたら即座にメールなどでアラートを飛ばしたりする。

可視化によりコンサルティングの効果を定量的に示せるようになったことに加え、アラート機能などを活用し、その時々のリアルタイムな電力消費状況に応じて、消費電力量の調整ができるようになった。

月刊テレコミュニケーション2016年3月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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